私のところに相談に来られた方が、自分がHSS型HSPだとわかってホッとした、安心した、納得できた、と口にすることも珍しくありません。

「自分はいろいろ考えてしまったり、人より気がつくほうだと思ってはいました。ただ、HSPとか繊細さんとかいうイメージとは微妙に合わないところがあります。性格は活発なほうだと思いますし、人に意見も言えるほうだからです。でも、HSSという刺激追求型タイプもあるとわかって、あ、こっちだ!と思えて納得できました」

「興味があることには時間を忘れるほど没頭し、それが仕事の場合では社内で表彰を受けたこともあります。そういうところはHSSなんだと思います。ただ、取りかかるまでが慎重で、そこはHSPらしさなんだとわかりました。矛盾しているような感覚は消えませんが、気質からの影響によるものだとわかって、ちょっと安心しました。今までは、すぐに取りかかれないのは自分の努力不足だと思っていたので……」

いずれの方も、周りからは活発な人、ポジティブな人、だから悩みとは無縁な人と見られているのに、実は周囲の人との関係に深く悩んでいました。なかには、むしろ自分の声の大きさや活動的な性格ゆえに、「無神経な人」と周りに思われているのではないかと気に病んでいる人もいます。

ほとんどの人が、「周りとうまくやれないのは、自分の努力が足りないだけ」と考えて、何とかしようとがんばっては、ますます傷つく、という悩みの悪循環にはまっていってしまうのです。

もちろん、複雑な内面を抱えているのはHSS型HSPだけではありません。

傷つきやすい人は、自分が傷ついていることを他人には見せないよう、抑えこむところがあります。心の内面を他人に明かさないため、繊細そうに見える人も、そうは見えない人も、悩みの深刻さは同じく計り知れないのです。