1人1日当たりの魚介類消費量はどうでしょうか。
アメリカ合衆国61グラム、日本128グラム、中国106グラム、スペイン116グラム、フランス94グラム、イタリア82グラム、ドイツ35グラム、韓国224グラム、スウェーデン90グラム、オランダ60グラムとなります。
アメリカ合衆国は3億2824万人の人口を有しているため、1人1日当たりの魚介類消費量がそれほど大きくなくても、膨大な国内需要が存在します。世界第6位の漁業生産量を誇りますが、養殖業がそれほど盛んではないため、需要のまかなえない分は輸入に頼っています。
日本はなぜ輸入国に?
日本は微減傾向にあるものの、1人1日当たりの魚介類消費量は依然として大きい国です。1億2626万人の人口規模を踏まえると、国内需要は大きいといえます。
しかし、漁業・養殖業生産量は1984年がピーク(1282万トン)で、1989年に世界最大(1191万トン)だったのを最後に、以後減少傾向にあります。2018年の生産量は442万トンです。かつては遠洋漁業が盛んでしたが、1973年の第一次オイルショックによる燃料費の高騰、その後の排他的経済水域の設定などで衰退しました。
代わって沖合漁業が盛んになっていきますが、マイワシの漁獲量の減少、北洋漁業からの撤退などを背景に、沖合漁業も漁獲量を減らしています。マイワシの漁獲量の減少は、海水温などの数十年間隔で変化するレジームシフト(魚種交替)によるものだと考えられています。
しかし、依然として日本の水産物需要は大きく、需要をまかなうために輸入しています。日本が輸入している魚種は、1位サケ・マス類、2位カツオ・マグロ類、3位エビとなっています。
エビは東南アジアからの輸入が中心です。また冷凍技術の発達で遠距離輸送が可能となり、マグロやブリ、サケなどが水揚げ地ではない場所での消費が増えてきています。
(本原稿は、書籍『経済は統計から学べ!』の一部を抜粋・編集して掲載しています)