転職サイト「ビズリーチ」などを運営する巨大スタートアップ、ビジョナル。『突き抜けるまで問い続けろ』では創業後の挫折と奮闘、急成長を描いています。ビジョナル創業者、南壮一郎氏に大きな影響を与えた人物の一人が現USEN-NEXTホールディングス副社長の島田亨氏です。南氏が創業したビズリーチに投資したエンジェル投資家であり、東北楽天ゴールデンイーグルス時代、球団トップとして仕えた人物でもある。島田氏は仕事で成果を出すために必要な3つの要素を教えてくれました。(聞き手は蛯谷敏)

■インタビュー1回目▶「USEN-NEXT島田亨副社長「リーダーは腹から信じる言葉で組織を導こう」」
■インタビュー2回目▶「USEN-NEXT島田亨副社長が教える、優秀な人を見抜くたった一つの判断基準」

USEN-NEXT島田亨副社長が考える、成果を出すために必要な3つの要素Photo: Adobe Stock

――前回のインタビューで、優秀な人を見抜くには「正しいことをやろうとしているかどうか」を見るべきだとおっしゃいました。リーダーに大切なことも、本質的に正しいことをやろうとすることなのでしょうか。

島田亨氏:ちゃんとした熱意や情熱を持ってやろうとしているか。そうはいっても組織というのは閉鎖的なものなので、やっぱり突破力やエネルギーを持っているかも大事になります。

 そして、南さんは、まさにそういう人物でした。その代わり、事前に相談したり共有するということに欠けて、軋轢もありましたが(笑)。

 結局、事業と一緒で、正しく仕事をする人をシンプルに言うと、次のような要素に集約されます。一つは、物事を進めるときにちゃんと情報収集して、それに対して分析とか自分の意見を持っている人のこと。必要なもの独り占めせず、みんなで共有して、相談して、決断を下すことに尽きます。

 私が怒るのは、このプロセスを分かっていなくて、もしくは手を抜いてすっ飛ばして、間に合わなくなった時です。ちゃんとやっていれば間に合っているだろう、という時には激烈に怒ります(笑)。

 二つ目に大切なことは、自分の頭で考えられるかどうか。

 仕事の処理能力が高ければ高いほどいいけれど、そんな人ばかりは集められません。そのときに私が見るのは、自分で考える力があって、それが平均点以上だったらオーケーだとしています。

 三つ目に大切なのは、仕事をしていく上で変化に対応できる能力があるか。考え方や方針、仕事にまつわることすべてに言えますが、変わることが好きか。変わっていくことを楽しめるか。実際に、変わっていくことを楽しめる人は結構少なくて、難しいんですよ。(談)

USEN-NEXT島田亨副社長が考える、成果を出すために必要な3つの要素USEN-NEXTホールディングス副社長の島田亨氏(写真はICCサミットFUKUOKA2018登壇時のもの)

 今回、紹介したエピソードのほか、ビジョナルの創業ノンフィクション『突き抜けるまで問い続けろ』では、起業の悩みから急拡大する組織の中で生まれる多様な課題(部門間の軋轢や離職者の急増、組織拡大の壁)を、ビズリーチ創業者たちがどう乗り越えてきたのかが、リアルに描かれています。