産業革命でヨーロッパ農家は大打撃を受けたが…

 家畜の飼育と穀物栽培を組み合わせた農業を混合農業といいます。しかし、産業革命(本格的な貿易の始まり)が起こると、新大陸から安価な穀物が輸入されるようになり、ヨーロッパの農家は大打撃を受けました。

 これを受けて、ヨーロッパの農家は農業を進化させ、分化して専門性を高める努力をしました。こうして、商業的混合農業、酪農、園芸農業が生まれたのです。

 ヨーロッパ人のタンパク源は肉類が多く、1人1日当たりの肉類消費量は、多くの国で200グラムを超えます(日本は141グラム)。牛乳・乳製品の消費量も非常に多くなっています。

 ヨーロッパ起源の農業は新大陸へも伝播し、より大規模に営まれるようになり、新大陸国家でも肉類や牛乳・乳製品の消費量が多くなっています。

アジア、アフリカの食文化は?

 一方、アジアでは魚介類の消費量が多いこともあり、肉類の消費量は欧米諸国ほど多くはありません。穀物や野菜などの消費量が多くなっており、低タンパク・低脂質の食生活が見て取れます。

 またアフリカの熱帯地域ではいも類の消費量が多くなっています。いも類は地力(作物を育てる土地の能力)が低くてもある程度は育つ傾向がありますので、熱帯地域では重宝されます。

(本原稿は、書籍『経済は統計から学べ!』の一部を抜粋・編集して掲載しています)