日本の超低金利と長期借入による
レバレッジ(てこの原理)を利用する

 継続拡大したいなら、この1億円以上の自己資金分(エクイティ)を用いて、さらに不動産投資を続行したとしたらどうだろう?

 今度は、借入を80%したとして総額5億円の物件に投資することもできる。そして、また5億円の物件での壮大な映画「プロ・フォルマ part II」の上映スタートだ。

 慣れてくれば、自分だけの映画の脚本ならぬプロ・フォルマ(資産運用の未来予想図)を組み上げることだって出来るようになる。メガ大家仲間の中には、売却益や不労所得が大きいために、節税を目的として減価償却が大きく取れるものを経費で落とす人もいる。高級車やクルーザー、打ち合わせのためのファーストクラスやスイートの利用だ。

 しかし、メガ大家たちが勉強熱心で倹約家であることも忘れてはならない。高級車は再販価格がそれほど落ちないものを必ず選ぶし、シェアカーとしてのキャッシュフローが生まれるプレミアムカーを賢く選ぶ。ラグジュアリーな打ち合わせは、本当に投資家同士での有用な情報交換や、物件視察のために使うのだ。

 ここで考えて欲しい。株式投資で常に毎年20%ずつ複利で増えてくれるデイトレードを繰り返すことは可能だろうか? それも、着実に増えて行く方法で。

 難しいと思うし、気力が持たない。株価が5年で26倍に着々となってゆく銘柄を見つけ出して、利益確定したい誘惑に打ち勝ちながら、ポジションをホールドし続けられるだろうか。

 そしてこの映画「プロ・フォルマ」のいいところ、とくに日本においては異常なまでの低金利と長期借入によるレバレッジ(てこの原理)が奏功して、つねに自己資金に対するIRRが高くなることだ。平たく言うと、自己資金を何倍にも安全に膨らませてくれて勝負させてくれる。

 さらに新築開発の場合には初年度に様々な経費がかかるため、初年度から続く3年間は、所得のかなりの分を相殺することができ、節税対策にも大いに貢献してくれる。

 もちろん売却時にキャピタル・ゲイン課税を支払う必要はあるが、喜んで支払っても、あり余るだけのリターンが得られる。

上田真路(うえた・まさみち)
建築家・不動産投資家
KUROFUNE Design Holdings Inc. 代表取締役CEO
ハーバード大学デザイン大学院で不動産投資と建築デザインを学び、投資理論とデザインの力を融合させたユニークな不動産投資を行う。
鹿島建設入社4年目に不動産投資を開始。数々の不動産投資セミナーに足を運び、不動産関連書籍を数十冊読破。そんな中で出会ったメガ大家集団をメンターに持ち、指導を仰ぎながら不動産投資をスタートする。最初に行った東京・神楽坂での新築マンション開発では超狭小地に苦労し、辛酸を舐めつつも独自の不動産投資スタイルを確立する。現在5棟の超優良物件を保有。保有物件の中では投資額が4年間のうちに26倍になったものもある。
1982年高知県生まれ。早稲田大学理工学部建築学科、同大学院卒業後に鹿島建設入社。
大学院卒業時にリゾートホテル開発プロジェクトにより早稲田大学小野梓芸術賞を受賞。
同社では国内外で建築設計や大規模な都市開発業務に従事。鹿島建設社長賞、グッドデザイン賞、SDレビュー賞などを受賞。2016年、ハーバード大学デザイン大学院(GSD)へフルブライト留学。2018年、GSD不動産デザイン学科を卒業、外資系不動産ファンドでの投資業務を経験した後、KUROFUNE Design Holdings Inc.(デザイン事務所兼不動産ファンド会社)を創業し独立。現在はハーバード学生寮生活で得た原体験をもとに、住まいと学びを融合させた国際学生寮「U Share」を開発運営する。また、慶應義塾大学SFC特任講師、早稲田大学特任講師として「不動産デザイン」について教えている。初の著書に『ハーバード式不動産投資術 資産26倍を可能にする世界最高峰のノウハウ』(ダイヤモンド社)がある。