某大手金融機関に勤めていた著者は、40歳で早期リタイアを考え始め、2019年に資産1億円を達成。51歳で早期リタイアを実現した。初の著書『【エル式】 米国株投資で1億円』では、FIRE(経済的自立と早期退職)の原動力となった米国株投資術を全公開。基礎の基礎から、年代・目的別の投資指南、最強の投資先10銘柄に至るまで、“初心者以上マニア未満”の全個人投資家に即役立つ米国株投資を徹底指南する。

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6つのポイントを守れば米国株投資は怖くない

投資先として米国株がいいのはよくわかったけれど、具体的にどんな銘柄を選んだいいのか?

私のブログにも、「どうやって選んだらいいか、わかりやすく教えてください」という
リクエストが届きます。

そこでアメリカの個別株に投資する際のポイントを「エル流米国株選び6つのポイント」としてまとめてみました。

【エル流米国株選び6つのポイント】
1 自分がよく知っている製品・サービスを扱っている
2 ポピュラーな企業で情報が入手しやすい
3 高い収益性・競争力がある
4 成長性が高い
5 10年以上にわたり増配した実績がある
6 営業キャッシュフロー・マージンが20%以上ある

これらに必要な情報は「Yahoo! ファイナンス」などで、日本語による検索を行うだけで概要がわかります。

本書ステップ1の「米国株が最強な理由」と重なる部分もありますが、1つひとつチェックしていきましょう。

1 自分がよく知っている製品・サービスを扱っている

素性のわからない人に大金を預ける人はいないでしょう。

株式投資をするということは、自分の大事なお金を預けるようなもの。それも1000円、2000円といった少額ではありません。

投資するなら自分がよく利用する製品・サービスを扱っているような企業がいいです。

これは米国株投資に限らず、日本株投資にも共通するポイントです。

投資の神様バフェット氏も、「投資先は自分が理解できるビジネスモデルに限るべきだ」とおっしゃっています。

私が2005年に最初に投資した米国株は、アマゾン・ドット・コム(AMZN)でした。

それはアマゾンを利用していたからです。現在投資しているビザ(V)やナイキ(NKE)も同じく、自分がよく知っていて利用している製品・サービスを扱っています。

クレジットカードのビザは毎日のように使っていますし、ナイキのスニーカーやスポーツウェアは家族ともども愛用しています。

よく知っている製品・サービスを扱っているところに投資すべき理由は、売り買いのタイミングがわかりやすいからです。

中長期保有が基本ではありますが、長く保有していると、リーマンショックやコロナショックのように、株式市場が激しく動揺するタイミングが必ずやってきます。

市場全体が下がり保有銘柄の株価も下落したら、そのまま持ち続けても大丈夫なのかと不安な気持ちになります。

でも、その不安に負けて売ってしまった直後、市場が反転してV字回復することも珍しくありません。

その点、よく知っている銘柄なら、市場が動揺しても不安に駆られて“狼狽売り”する失敗は避けやすくなります。

自分で使っている製品・サービスなら、以前と比べてクオリティが高まっているか、それとも低くなっているかは肌感覚で理解できます。

1ヵ月や2ヵ月といった短期間では判然としなくても、中長期保有しながら3年、5年といった長期間で見てみると、製品・サービスがよくなっているか、悪くなっているかはわかるものです。

株式投資では、その企業がどういうシナリオで成長し、それにつれて株価がどう上がるかというストーリーを描いてから投資すべきだといわれます。

そのストーリーが崩れたら、株は売るべきだというのです。

私の場合、米国株でもっとも大きな投資先であるアマゾンに関しては、頭に思い描いているストーリーがあります。

現在のアマゾンは、未知のビジネスをとり込んで成長している真っ最中であり、ゆくゆくは宇宙にまで進出して時価総額世界一の企業になると信じているのです。

GAFAMのなかで、アメリカの反トラスト法(独占禁止法)に抵触して事業継続に暗雲が立ちこめる恐れがいちばん低いのも、アマゾンだと思っています。

しかし、それ以外の銘柄すべてに1つひとつ詳しいストーリーを組み立てているわけではありません。現実的な話をすると、現在は約50銘柄に分散投資していますから、それぞれに詳細なストーリーを作っている余裕がないのです。

初心者が、企業の成長や株価上昇のストーリーを組み立てるのはもっと大変です。

投資先を知ることは大事ですが、製品やサービスを利用してみて「ある程度理解度が高まった」と思ったら、少額からでいいので投資アクションを起こしたほうがいいでしょう。