「幸せそうな皆」がやった、たった一つのこと

 新聞やラジオしかなかった昔と比べて、インターネット社会に生きる我々が手に入れることができるようになった情報の量は、とても多くなりました。その結果、生まれた「情報過多な日常」に生きづらさを感じているのは、あなただけではありません。

 でも、あなたの周りは何だか毎日楽しく、快適に、幸せそうに過ごしている人がほとんどだし……と思っていませんか?

 ・あなたが苦手とする上司ともうまく付き合い、仕事でもバリバリと結果を出している人
 ・理想のパートナーとめぐりあい、絵に描いたようなステキな人生を満喫している人
 ・「ありのままの私でいたい」といって、自分が望む仕事をしながら、ストレスのない自分らしいライフスタイルを実現している人

 どうしたら、そんなふうになれるのだろうと、多くの人は悩みます。

 「自分らしい生き方をするには、どうしたらいい?」
 「自分を変えるには、どうやればいいの?」
 「考え方を前向きにする魔法の言葉って?」

 情報過多のこの時代、方法論はそれこそ星の数ほどその辺に転がっています。

 ネットで調べれば、すぐ目につくたくさんのやり方。それらを試してみたのに、全然自分は書かれているようには変わらない。焦るし、悩みますよね。

 でも、悩む必要はありません。

 そもそも、そんないろいろな方法論に振り回され、苦しい努力を自分に強いる考えそのものから、あなたもそろそろ解放されましょう。

「あなた以外の幸せそうな皆」がやったことは、「幸せになれる自分」に自らをつくり替えることでも、あらゆる障害を打ち破って「自分らしさ」を貫くことでもありません。

 幸せそうな人たちがやったことは、ただ一つ。それは、

 この生きづらい世の中で、我を張り過ぎないようにいい塩梅で、周囲に溶け込む方法を身につけて実践することです。本連載ではそれを、「擬態」と呼びます。

「擬態」とは、たとえば、蝶々が木の葉にそっくりな形になって他の生き物に食べられないようにしたり、カメレオンが目立たないように周囲と同じような色になって、攻撃を受けないようにしたりする行動のことです。