伝える内容以前に重要なのは「スピード感」

――現在、ドムドムハンバーガーは、直営店とFC店を合計して27店舗ですよね。日本全国、いろいろな場所に店舗があると、「みんなで売上を取っていこうね」という空気にするのは、なかなか難しいのではないかなと思うのですが。

藤﨑:そうですね、正直、まだまだなところもあって。スタッフの接客レベルや意識を統一することは、今後、改善すべき課題のひとつだと思っています。ただ、現場の声が経営陣までしっかり届くように、メッセージでのやりとりはとても大切にしています。スタッフがお互いの心を思いやる、風通しの良い職場にしたいと思っていて。

――コロナ禍でテレワークの割合が上がり、オンラインでのコミュニケーションの取り方に苦心されている方も多いのではないかと思います。直接会えないスタッフのやる気をアップさせるために、藤﨑さんが意識している文章やメッセージのポイントがあれば教えてください。

藤﨑:とくに意識していることは3つあって。

まずひとつは、「スピード」ですね。スタッフを褒めるときも、指摘するときもそうなのですが、その事象が起きたらすぐに声をかけること。小さい子どもを育てるときもそうなんですけど、すぐ言わないと忘れちゃうんですよね。忙しいときはとくに、あとから言っても「それ、何のことでしたっけ?」みたいに、忘れてしまいますから。なので私の場合、メールやLINEは24時間体制でチェックしています。

――スタッフとの交流に、LINEを使われているんですか。

藤﨑:もう、絵文字もバンバン使いながらやっています(笑)。スーパーバイザー時代からはじめたことなのですが、とにかく現場のスタッフが困ったことを相談しやすい空気をつくりたくて。スマホでパッとアプリを開くだけですむので、全国のスタッフとのコミュニケーションには重宝しています。素早くチェックできますし、何より、店舗同士での情報共有もしやすく、横のつながりをつくりやすいんですよね。

――なるほど。伝える内容や書き方以前に、スピード感というのもとても重要ですね。

部下のやる気を引き出させる「褒め方」

藤﨑:それから、二つ目は、「真摯な行動への賞賛」です。

たとえばお客様から「この店舗の接客がとてもよかったです」という喜びの声をいただいたら、すぐに全社で共有するようにしています。そのときのポイントが、必ず感謝の言葉を添えること。

――藤﨑さんはものすごい「褒め上手」だとか。新店舗オープン時の研修で、スタッフのみなさんにこまめに声がけしている様子も拝見しました。

藤﨑:「褒める」って、やるべきことを真面目にやってくれたこと、その行動への賞賛だと思うんですよね。だから、「お礼とともに事象を褒める」ことが、スタッフとのコミュニケーションでは重要だなと思っています。あとは、決算の数字が出たあとは、その都度、数字の報告もするようにしています。売上がアップするのは現場のスタッフの努力の結果でもありますから、さらなるモチベーションアップにつながりますよね。

――なんだか話をお聞きしていると、藤﨑さんの元で働きたくなってきました(笑)。