部下に信頼される「手紙」の書き方・送り方

藤﨑:最後に、「重要なときは手紙を送る」こと。

スーパーバイザー時代からやっているのですが、月1回くらいの割合で店舗に手紙を送っています。アルバイトスタッフでも見られるように、店長さん宛にメールで送った手紙をプリントアウトして、それをお店に貼ってもらっているんです。

――たとえば、どんなお手紙を書かれているのでしょう。見せていただいてもよろしいですか?

藤﨑:大丈夫ですよ。これは、コロナ禍で各店舗にオリジナルマスクを送ったときに添えた手紙です。普段はタイプして送ることも多いのですが、今回は本当に大切なときだと思い、手紙にしました。

テレワークで部下に嫌われる人・好かれる人の差は「文章力」にあった
テレワークで部下に嫌われる人・好かれる人の差は「文章力」にあった(2020年4月15日に送付された手紙)

――いやあ、これは受け取った方々は安心するでしょうね。社長から直々に、こうやって思いやるメッセージをいただけるなんて。

藤﨑:どうなっていくかわからない状況で、みんな不安じゃないですか。だから、ここぞという場面では、手書きにすることにしました。あんまり毎回手書きにするのも、ちょっと重いかなという気もするので、いつもやるわけではないんですけどね。ただ、4月15日と、みなさんとても不安な時期でしたから、会社を信頼していただくことにつながったらいいな、と思って。

――まとめると、

① スピード
② 真摯な行動への賞賛
③ 重要なときは手紙で

これが、部下と信頼関係を結ぶ伝え方のポイントですね。いやあ、勉強になりました

藤﨑:いずれにせよ、チームのやる気を引き出すには「信頼と感謝」が不可欠だなと思っています。あなたのことを信頼しているよ、と伝えることによって、相手にも信頼してもらえる。それをきちんと言葉と行動で示していけば、信頼関係はおのずとつくられていくのではないでしょうか。

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テレワークで部下に嫌われる人・好かれる人の差は「文章力」にあった

藤﨑忍(ふじさき・しのぶ)
1966年、東京都生まれ。青山学院女子短期大学卒。政治家の妻になり、39歳まで専業主婦。しかし夫が病に倒れ、生活のために働き始める。最初はギャルブームの頃のSHIBUYA109の店長。若い店員とのコミュニケーションがうまく、また店頭ディスプレーのセンスも良く、店の売上は倍増。ところが経営方針の変更により、退職。アルバイトでしのぐが、たまたま空き店舗を見つけ、居酒屋を開業。すると料理の美味しさや接客の良さで一躍人気店に。その腕を常連客に見込まれ、ドムドムのメニュー開発顧問に。「手作り厚焼きたまごバーガー」をヒットさせ、ドムドム入社。その後わずか9ヵ月で社長に。「丸ごと!!カニバーガー」などが話題になり、ドムドムの業績は確実に回復している。テレビ朝日系「激レアさんを連れてきた。」出演で話題に。著書に『ドムドムの逆襲』(ダイヤモンド社)。
(撮影/ホンゴユウジ)

テレワークで部下に嫌われる人・好かれる人の差は「文章力」にあった