相手に伝えるESを書くための4つのポイント~3・4~

  3■「とても」「すごく」「非常に」といった言葉を具体的な内容に書き換える

  書いている方は、強調する言葉を使うと伝わるような気がするが、読み手からすると幼い印象を与えてしまうものがある。見てみよう。

(記入例)
【×】成果が出ない中、様々な施策を全力で取り組んだ結果、非常に大きな学びを得た
【○】成果が出ない中、2点の施策を3ヵ月間取り組んだ結果、3点の学びを得た

【×】とても辛いこともあり、何度も諦めそうになったが、必死でくらいついていった。
【○】「辞めてしまえ」と何度も叱られ、「向いてないかも」と思うこともあったが、毎回反省点をノートに書きながら、同じ失敗を繰り返さないように対策を練った。

  自信が無い人ほど、強調の言葉を使うことによってごまかそうとしてしまう。
「貴社を非常に志望しています」「貴社の企業理念に強く共感しており」と書いたからといって評価が上がることはない。もっと別の切り口はないか、具体的に言えないか、といったポイントを頭に置きつつ自分を表現する方法を考えよう。

  4■アピールするポイントは絞る

  ESを書きはじめの頃は、あれもこれもアピールしたくなるものだ。
  しかし、それが逆効果になっている人が多いのも事実。
  以下の例を見てみよう。

(記入例)
【×】「最後までコツコツ諦めずに努力を重ね、どんな壁とも真摯に向き合い、最終的に成果を出す行動力があります」
【○】「『継続の力』を信じ、3年間続けた○○の活動」

  【×】は、一つの文章で「コツコツ努力ができることころ」「壁と向き合うことのできる力」「結果を出すことができる力があること」「行動力」をアピールしている。これではあれもこれもPRしすぎていて逆に何が一番のウリなのかが分からなくなってしまう。

  企業に提出するESで聞かれる設問は300~400文字であることが多い。
文章中に、強みを発揮したエピソードや志望する理由となった経験を書くことになる。文章力のある人でも、これを1つ書くだけで300~400文字を使ってしまうことがほとんどだ。だからこそ、あれもこれもPRしてしまうと、それを具体例が書けなくなり、説得力のない文章になってしまう。

  なにより、僕はこういうPRを読むたびに「こんなにあれこれ書かないと不安なほど、自信が無いのかな」と思ってしまう。勇気を持って「これだけは伝えたい」という1テーマを決めて心を込めて書き込んでみよう。