日本外交の主戦場
韓国、北朝鮮と異常な状態
朝鮮半島に対する日本の外交が止まったままだ。
韓国とは徴用工判決を契機に正常化後最悪の関係になり韓国の新駐日大使が首相に面会もかなわない異常な状態であり、北朝鮮とは拉致被害者問題の交渉の糸口さえ見えない状況だ。
歴史的に見て朝鮮半島は文字通り日本の生命線だった。
秀吉の朝鮮出兵の時代から始まり、明治の征韓論、朝鮮半島の権益を巡る日清・日露の戦争、そして日韓併合を経て、敗戦から20年たっての正常化。朝鮮半島は日本が大きな犠牲を強いた地域だったが、日本の安全保障の要であり、日本の外交の主戦場だ。
今でもそれは何ら変わっていないはずだ。新政権が発足した今こそ朝鮮半島との外交を活性化すべき時だ。
徴用工判決を機に
正常化後最悪の日韓関係
日本と韓国、北朝鮮は重要な隣国同士だが、今、異常な関係が続いている。
筆者は「朝鮮半島は日本外交の原点」との思いの下、外務省で1987年に朝鮮半島を主管する課長になった。アジア局長になった時は「韓国との関係を万全にし、北朝鮮との関係に活路を開く」というのが小泉首相以下、政府の強い思いであった。