トヨタ「RAV4」|
1997年~2003年

トヨタ,RAV4TOYOTA

 今日でこそ電気自動車のSUVは種類も充実していますが、その先駆けとなったのが1997年のトヨタ「RAV4 EV」でした。そして当時の人々には、不評だったようです。とは言え、現在では当たり前の存在となったEV SUV、例えばヒュンダイ「コナ・エレクトリック」、キーア「ニーロ」、高級路線のテスラ「モデルX」やジャガー「Iペース」などの基礎を築いたのが、この「RAV4 EV」だったと言えるのです。

 とは言え、最高速度は時速78マイル(約126キロ)、1回の充電での航続距離は95マイル(約153キロ)と、能力的に目を見張るものがあったわけではありませんでした。2003年モデルを最後に「RAV4 EV」の生産停止を決めたトヨタでしたが、その後、テスラとの提携により2012年から2014年にかけて、新型「RAV4 EV」での再挑戦を試みています。

テスラ「ロードスター」|
2008年~2012年

テスラ,ロードスターBRIAN BLADES / Car and Driver

 テスラにとって初となった1台は、市場の大きな高級セダン向けの「モデルS」ではなく、2008年に発売を開始した「ロードスター」となりました。ロータス「エリーゼ」をベースにした「ロードスター」は、イギリスのスポーツカーメーカーとの直接取引で部品の調達などを行っています。

 創業者イーロン・マスクが抱いた「長距離走行可能な電気自動車のビジョン」を体現した最初のクルマとして、これは注目を集めました。販売的には決して成功したとは言えませんが(全世界で2450台のみ販売)、テスラブランドの将来像を明示するコンセプトカーとしての役割は十分に果たしたと言えます。

日産「リーフ」|
2010年~

日産,リーフPATRICK M. HOEY / Car and Driver

「EVも、チューニング次第で航続距離を延ばすことが可能である」とテスラが証明した頃、日産が取り組んだのはEVのファミリーカーとしての可能性の追求でした。初代「リーフ」は個性的なスタイリングを持ちながら、広々とした車内が快適な、そして実用的な1台となりました。1回の充電による航続距離は73マイル(約117キロ)に留まりましたが、最近のモデルではバッテリーパックが大型化され、航続距離も226マイル(約364キロ)にまで達しています。

 しかしながら初代「リーフ」はすでに、テスラ「ロードスター」のわずか数割の価格で購入可能に。日常的な用途という意味では十分な実用性を備えた1台であり、商業的に成功した初のEVと言われることもあります。