ドトールをはじめとした日本の国内コーヒーショップチェーンは、当初スターバックスの戦略をマネしようなんて思いませんでした。
その間にスターバックスは、唯一無二のポジションを築き、根強いファンを集めるようになります。
そのあまりの快進撃に、徐々にライバルたちも気づき始め、ついにはマネして同じコンセプトの店を出すようになりますが、そのときはすでに手遅れです。
部分的にスタバっぽさを取り入れることはできますが、「サードプレイスというコンセプト」「直営店方式での出店」「社員が直接管理するからこそのハイレベルな接客」、スターバックスが持つこれらのストーリー全体をマネすることはできなかったわけです。
サラタメ:「マネしたくない」と思われてる間に「マネできない」レベルにまで突き抜けたという、とても美しい「バカなる事例」です。
個人の戦略にも「バカなる思考」を
長期的に勝ち続ける企業は、多かれ少なかれ、部分的に非合理な部分を盛り込み、大きな成功を手にしています。
ただ、この「バカなる思考」は、イケてるグローバルカンパニーだけのものではなく、いちサラリーマンの日々の仕事にも活かせるのです。
ビジネス現場では、たしかに合理性を求められることが多いのですが、いつも合理性だけを追い求めていればいいわけではないと覚えておいてください。合理性だけでは、圧倒的成果にはつながらないですし、なにより仕事を骨の髄まで楽しむことはできないのです。
サラタメ:個人としては、こんな場面で「バカなる思考」を発揮してみましょう!
・ライバルに圧倒的な差をつけたいとき、アイデアにあえて非合理なポイントを盛り込む
・上司に対して、非合理に見える提案をするときは、全体を見れば合理的であることを入念に伝える
・相手の意見が非合理だからといって頭ごなしに否定しない。全体として合理的になってないか検討してみる
(本原稿は、サラタメ著『真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン』からの抜粋です)
・ライバルに圧倒的な差をつけたいときには「バカなる思考」
・「バカなる思考」とは、「バカな」から始まり「なるほど」で終わるアイデア
・部分的にも全体的にも合理的な思考は正しいが、簡単にマネされてしまう
・自分が提案するときも、提案を受けるときも、「バカなる思考」は有効