石油元売り業界トップのJXホールディングスと業界3位の東燃ゼネラル石油が統合して2017年に誕生したJXTGホールディングスは6月25日、ENEOSホールディングスに社名を変更する。経営統合から3年、圧倒的に数で勝り主導権を握るJX側は、社名変更だけでなく、まさに弱肉強食といえる露骨な人事を行ってきた。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)
JXTG誕生後の役員人事で分かる
「数こそ力」吸収合併の厳し過ぎる現実
昭和のキングメーカー、田中角栄元首相は「政治は数、数は力、力は金だ」と言い放った。
無論、彼の言葉は「一寸先は闇」といわれる政治の世界で生き抜くすべを述べたものだが、「数は力」という論理は、経済の世界にも当てはまるといえよう。「大が小をのむ」吸収合併はその典型である。
石油元売り業界の頂点に君臨していたJXホールディングス(HD)と業界3位の東燃ゼネラル石油(TG)が経営統合して2017年4月に誕生したJXTGHD。売上高はJXが7兆円(17年3月期、国際会計基準)に対し、TGが2兆円(16年12月期)で、JXが圧倒的に規模で上回る吸収合併だった。
JXTGHD誕生からの役員人事は、まさに「数は力」の論理が働いた。