ほとんどの人に共通する悩み、それは「お金の悩み」だ。「お小遣いが足りない」、「毎月家計が赤字」、「家を買いたいけど頭金がない」、「老後のお金をどうしよう」……。そして誰もが、こう思う。「一生、お金に困らない生活をするにはどうすれば良いのだろう」と。そんな悩みに応える1冊が、経済ジャーナリスト荻原博子氏の『一生お金に困らない お金ベスト100』だ。この1冊に、いろいろなお金の秘策が詰め込まれている。今回は著者インタビューに続き、本書の内容を一部抜粋して紹介する。
メガバンクに預けたら損!?
お金がなかなか貯められない人に、うってつけの預金があります。
「社内預金」です。
会社員がお金を貯めようと思うなら、まっさきに調べたいのが、会社にこの制度がないかということ。なぜなら社内預金は、積立預金の中では最も利率がいいからです。
利率はなんと500倍!
社内預金は社員の福利厚生の一環として考えられており、だから普通の銀行よりも金利が高い!
ちなみに利率については、労働基準法第18条第4項の規定に基づく省令で、下限が0.5%となっています(2021年現在)。これはメガバンクの普通預金の金利(0.001%)の500倍です。
下限が0.5%なので、会社によっては1%、2%と、より高い金利をつけているところもあります(バブルの頃には8%、9%で預かってくれる会社もありました)。
100万円、200万円といった、まとまった金額のお金を預ける場合は、0.5%より高い金利で預かってくれる銀行もありますが、1万円、2万円といった少額の積立で0.5%以上の金利をつけてくれる銀行はありません。
もし、自分が勤めている会社に社内預金の制度があったら「ラッキー」だと思って、ぜひフル活用してください。
ズボラさんでも大丈夫!
社内預金は金利がいいだけでなく、給料から自動的に毎月一定額が天引かれ、貯蓄されますから、ズボラさんでも積み立て忘れることがないですし、気がつかないうちにお金が貯まります。
ただし、有利な預金だけに、預けられる金額の上限は決まっています。この額は会社によって違うので、チェックしてください。
退職・倒産したら?
社内預金は任意加入で、会社もしくは会社が委託する金融機関が管理し、申し出ればいつでも引き出せる手軽さがあります。
ただし、今、高い金利がついていても、会社の方針で金利が下限の0.5%まで下げられたり、会社を辞めたら解約しなくてはならなかったり(労働基準法では、退職時には請求から7日以内に本人に全額返金)、会社が倒産したら、最悪の場合、せっかくの積立が戻ってこない可能性もあるので、それには注意が必要です。