前回、「ケムンパスがチョウになった」営業マンの事例を紹介したが、本には他に2人の「デキル営業に大変身」実例を掲載している。その事例を受けて、各人の個性を生かして売る和田流の「キャラデウルメソッド」を解説。

欠点も長所も自分の「キャラ」

 第1章で3人の事例をお話ししましたが、おわかりのようにすべての人が同じ道順で売れる営業マンに変身したわけではないのです。みんなちょっとずつ違います、ベースは同じでもね。

 それは一人一人がそれぞれ異なる個性をもっていて、個々のスタートラインが違うので、トレーニング方法だって変わってくるからなのです。個々のキャラクターに合わせたトレーニングをするということですね。

 だから、本当言うと営業には教科書ってないんです。
 商品の説明をするためのマニュアルや、クロージング(商談成立)までのステップは教えてもらえますが、それだけで「売れる」営業になることはできません。学校でも同じ教科書で同じ勉強をしてもクラス全員が100点を取れないのと同じことです。

 ようするに男性か女性かとか背が大きいとか小さいとか、地味なタイプか派手なタイプかなど、それぞれの人がもつ「キャラ」の要素によって、売れる人になれるまでの道順が違うのです。
 私は朝型ですが、夜型で夜の方が効率よく仕事できる人だっていますよね?
 数学が好きで問題を解くのを面白いと感じる人もあれば、作文を書く方が楽しい人もいます。そんなふうに、みんな同じにはいかない。

 でも、どうしたら自分の道順がわかるのか知りたいですよね?
 そして、もっと簡単に売れるようになりたいと思っていますよね?

 だったら、表面的なノウハウに走る前に、自分のことをもっと知ることから始めたらいいのです。