仮想通貨の損失についての救済措置は?
事業として取引している場合を除き、仮想通貨で上げた利益は雑所得という種類に分類されます。FX取引による所得も同じ雑所得ですが、前記のとおり分離課税のため、ほかの種類の所得とは合算できません。
これに対して、仮想通貨による雑所得は総合課税となり、給与所得や事業所得、不動産所得などほかの種類の所得と合算して所得税額を算出します。ただし、その前に雑所得(総合課税)同士で損益通算をするルールになっています。つまり、仮想通貨の取引で損失が出た場合には、ほかの雑所得(総合課税)と損益通算して、最大0円まで雑所得額を減らすことができます。
では、仮想通貨の損失が大きく、ほかの雑所得と相殺しても、なお損失が残った場合はどうなるのでしょうか? 残念ながら切り捨てになります。そのため、給与所得や事業所得、不動産所得などほかの種類の所得と合算する際に、残った(切り捨てた)損失と相殺することはできません。
つまり、仮想通貨の損失については、繰越控除のような特別な救済措置はないということです。
なお、仮想通貨の価格が購入時より下がっていても、売却したり、仮想通貨で物品やサービスを購入したりしていなければ、損失が出たことにはならないので注意しましょう。