毎年確定申告をしている人でも、たまにしか発生しない所得については、適用できる控除の存在すら知らないことも珍しくありません。税務署は税金を納めてもらうのが仕事です。納め過ぎた税金があっても、黙っているのが基本スタイルです。そもそも、本人が申告しない限り、適用可能な控除があるかは税務署にもわかりません。そこで、ここでは一般の人が見逃すことの多い代表的な控除について、『いちばんわかりやすい確定申告の書き方』(ダイヤモンド社刊)の監修・土屋裕昭税理士が解説します。
ふるさと納税以外にも
控除できる寄附金がある
ふるさと納税は、実際には納税ではなく、地方自治体への寄附金です。確定申告では寄附金控除として申告します(別途、一定の書類の添付が必要)。
この寄附金控除が対象とするのは、ふるさと納税だけではありません。災害時に送った義援金や政党への寄附などのうち、特定寄附金とされるものについても受けられます。見逃しがちなので、寄附した覚えのある人は下表で確認しましょう。所得から「特定寄附金の額-2000円」を控除できるため、寄附した金額によっては大きな節税効果を望めます。
また、特定寄附金のなかでも、公益社団法人等、認定NPO法人、政治活動等への寄附金は「寄附金特別控除」として確定申告をするほうが有利です。こちらの計算方法は下記のとおりですが、控除額を差し引く先が「所得」ではなく、「所得税」そのものになるため、節税効果に違いが生まれます。