効率重視の人生では魅力的な人間になれない

 これは、直線的に生きずに、曲線的に生きるということだ。その曲線は一見、非効率的に見えて無駄が多いように感じるかもしれない。しかし、その「曲線的な無駄のある生き方」は「直線的な効率性重視の生き方」に比較すると、倍以上の人生工程を体験する事になる。その人生工程が人生に豊かさを与えてくれて、人間的な器の形成に役立つのだ。曲線的な生き方の方が、人間性が育まれて、魅力をまとい人生が豊かになると、東洋哲理は説いている。

 誤解してほしくないのだが、他者とのアポや会議の時間は当然、設定しなければならない。そのようなタスクは、「緊急性や重要性の高いタスク」だから、しっかりプランニングして実行しないと信頼を失ってしまうだろう。

「スケジュールが常に埋まっている人」がデキる人材にはなれない理由

 ここでお伝えしたいことは、普段、ないがしろにしがちな「緊急性が低く・重要性が高いタスク」をどう扱うかという点だ。プランニング技法を学んだことがある方は、この「緊急性が低く・重要性が高いタスク」こそが人生に彩りを与え、本来在るべき場所に導いてくれる事を、知見としてご存じだろう。

 図の通り、ブルーで反転している緊急性が高いタスクは、否が応でも対処せざるを得ない。しかし緊急性の高いタスクの処理ばかりに追われて、「緊急性が低いが、重要性は高い」、本質的なタスクに手が回らない人生を歩むのは最悪である。

 図を見て気付いて頂きたいことは、緊急性が高いと思っているタスクの半分は、重要性が低いという点だ。「重要性が低くて緊急性が高いタスク」はなるべく人生から排除した方がよい。その意識を持つだけで、本当に大切なタスクに向かい合える。

 計画書はスカスカな方が豊かである。余白が多いプランニングは、さまざまな人生体験を取り入れることができるからだ。忙しい業務に対処し過ぎる事に慣れてしまうと、それが当たり前になる。するとアポや予定がないと不安に思うかもしれない。しかし、これは燃え尽き症候群になりかけている危険な状態だ。