まず、ベイカレントで何より事業拡大の鍵となるのが、IT領域に精通したコンサルタントをいかに確保するか。同社は26年に4000人体制と、昨年4月時点(2000人超)からコンサル数を5年で倍増させる計画だ。このところは外資系の競合であるアクセンチュアも、人員規模を急拡大している。

 ベイカレントの阿部義之社長は、入社を考える人に対して「コンサルタント自身が専門性やキャリアプランを自主的に選択しつつ成長できること」を、競合と比べた訴求ポイントに挙げる。そして、「今後も継続して優秀な人材を採用し、横断的な対応を通してクライアントとの信頼関係をより強固なものとしていくことで、成長を実現していきたい」との方針を立てている。

従業員数の伸びが断トツのSHIFT
SaaSで時価総額トップのラクス

 では、SHIFT(本特集#12『「仮想敵はアクセンチュアと野村総研」SHIFT社長が豪語、株価10倍・時価総額10兆円も!?』参照)や、ラクス(同#13『SaaS銘柄で時価総額トップのラクス、社長が語る「国内トップ100入り」への勝ち筋』参照)のトップはどのように考えているのか。

「大手は100万人いるエンジニアを取り合っているけど、僕らは労働人口6000万~7000万人の中から一生懸命ダイヤの原石を探している」。こう語るのはSHIFTの丹下大社長だ。先ほどの図の通り、3社の中でもSHIFTは従業員数の伸びでは断トツ。21年は千数百人を採用し、昨年11月時点で7420人規模の会社となった(在籍者ベース、有価証券報告書とは集計方法が異なる)。

 同社は架空の企業サイトが正しく機能するか、手順書に沿って確認する独自開発の「CAT検定」で適性を審査。合格すれば、職歴に関係なく即採用されるというユニークな採用活動を行う。年間約3万人が応募し、合格率は6%。入社後の研修などを充実させていることもあり、IT業界以外から転職した未経験者が採用の約3割を占める。丹下社長は今後、地方採用から未経験採用、新卒採用拡大まで「全方位型で行っていく」と鼻息が荒い。