ロシアによるウクライナ侵攻は、あらゆる資産のマーケットを大きく揺るがせている。株式、金、債権……。当然ながら、暗号資産(仮想通貨)も例外ではない。特集『混迷ウクライナ』の#9では、ウクライナ侵攻後に乱高下するビットコインの行方を解説する。(ジャーナリスト 本田雅一)
ウクライナ侵攻で急騰
そして反落の乱高下
ロシアによるウクライナ侵攻が始まった2月24日にビットコインは1BTCが393万円という今年最安値に。しかし27日にSWIFTからのロシア除外が検討され始めると27日からビットコインは上昇。3月3日には522万円へと32%も急上昇した。ビットコインは暗号資産全体の半分を占めるが、ビットコインへの資金流入は、それ以外の暗号資産上昇にもつながった。アルトコイン(ビットコイン以外の暗号資産の総称)の代表格であるイーサリアムも、ビットコインと連動して上昇した。
ところがその3月3日をピークにビットコインは反落。ロシア軍が3月4日にウクライナの原子力発電所を攻撃し、情勢が深刻化した時期と重なる。
乱高下するビットコインは、この後どのような動きが予想されるのだろうか?
そもそも、なぜウクライナ危機を契機に検討され始めたロシアへの金融制裁と時を同じくして暗号資産へと資金が集まり始めたのか。各国からの金融制裁が強まる中、ロシア資金が暗号資産へと流れているのではないかという意見もあり、ロシア制裁で協調するEU、G7は暗号資産の規制を強める動きが出始めている。