誰でも解くべき問題を発見できる「8M」とは

創業15年を迎えた株式会社じげん代表取締役社長CEOの平尾丈氏は、上場以来12期連続で増収増益を達成し、その急成長ぶりで注目を集める気鋭の起業家だ。 大学時代にベンチャー2社を創業し、その経営権維持を条件に入社したリクルートで「10年に一人の逸材」と言われ、25歳でグループ会社社長に就任。MBO(マジメント・バイアウト)での完全独立を経て、30歳で東証マザーズ上場、35歳で東証一部へ変更。
起業家として華やかな経歴を持つ平尾氏だが、その陰には、「正解のない時代」に成果を出すための独自の打ち手「別解」を生み出すための地道なフレームワークの歴史があった。
平尾氏初の著書となる『起業家の思考法 「別解力」で圧倒的成果を生む問題発見・解決・実践の技法』では、その「別解」の導き方を詳しく解説している。そこで初のロングインタビュー第3回目は、「別解」を生み出すうえで不可欠な問題発見の仕方について聞いた。
(取材・構成/樺山美夏、撮影/疋田千里)

「目的」がなければ問題発見できず解決もできない

――前回は、他とは違う方法で問題解決する起業家思考のメインテーマ「別解力」の導き出し方についてお話いただきました。今回はそもそも問題発見の仕方がわからない場合どうすればいいのか?についてお聞きします。本書で紹介されている「8M」の発見力について説明いただけますでしょうか。

平尾丈(以下、平尾) ずっと問題発見症候群みたいな感じで、何か問題がないか常に探している人はたくさんいるんですね。実際に問題発見して起業した人や、これから起業しようと思っている人もごまんといます。だからこの本では、問題発見よりも問題解決の主軸となる「別解力」について力を入れてお伝えしました。

 ただおっしゃる通り、起業するつもりがないビジネスパーソンでも、問題発見力がなければ仕事にならない時代になってきているのも事実です。そのときこの「8M」のキーワードを役立てていただきたくてにも掲載しました。

 まず「この仕事は何のためにやっているのか?」「なぜ自分がやらなきゃいけないのか?」という真の「目的」がなければ問題は発見できません。目的がわからないのは、自分がやっている仕事の意図を理解していないからです。

 逆に、仕事の意味や価値といった真の目的がわかれば、仕事への向き合い方や取り組み方が変わります。人や社会のためにその仕事がどう役立っているのか?と考えれば、意味や価値がわかりやすいでしょう。

――確かに、目の前の仕事が何の役に立っているのかわからなければ、理想と現実のギャップである問題にも気づきませんね。

平尾 目的が明確であれば、何をどこまでやるのか「目標」としての手段も設定する必要があります。このとき注意すべきは、会社や上司が設定した「売上○○円」「顧客○○人」といった目標ではなく、自分が理想とする真の目的達成に向けた問題解決のための目標を立てることです。

 つまり、理想と現実のギャップを定義づけしたり、数値化できるものはすべて数値化して、「問題」の解像度を上げてやるべきことを洗い出してほしいのです。そこまでやると次は過去の情報を収集します。ところがこれをやっていない人が意外と多いんですね。受験にたとえると、過去問をまったくやらずに試験を受けるようなものです。