ニュースで見聞きした国、オリンピックやW杯に出場した国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。大人の教養として世界の国々を知ろうと思った時におすすめ1冊が、新刊『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)だ。世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。本書から特別に一部を抜粋して紹介する。

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スウェーデンはどんな国?

 スウェーデンはスカンディナビア半島の東側に位置する国で、北はフィンランド、西はノルウェーに接し、東はボスニア湾とバルト海に面します。

 主要産業はボルボで知られる自動車などの機械工業、化学工業、林業、ICTなどで、高い技術力を背景とした輸出が経済を支えています。

 国土の約6割を森林が占め、良質な針葉樹は家具や住宅用材として輸出され、また紙パルプ産業も発達してきました。

 北部のキルナ鉱山、イェリバレ鉱山を中心として産出される鉄鉱石などの地下資源も豊富ですが、ボスニア湾が冬に凍結するため、隣国ノルウェーの不凍港であるナルビク港まで運ばれ海上輸送されてきました。しかし現在は砕氷船が発達し、ボスニア湾のルレオ港も積出港になっています。

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ノーベル賞の授与式が行われる高福祉国家

 ノーベル賞は、ダイナマイトの発明で知られるスウェーデンの化学者アルフレッド・ノーベルの遺言によって、彼の遺産を基金として1901年に始まりました。現在は物理学、化学、生理学・医学、文学、平和及び経済学の6分野で顕著な功績を残した人物に贈られます。

 一人当たりの国民所得が高く、社会保障制度は世界の最高水準です。とくに妊娠や出産にかかる費用がすべて無料であったり、男女が家事や育児を分担することが法律で定められたりしていることなどから、合計特殊出生率が先進国の中で高い国の一つです。

スウェーデン王国

面積:45.0万㎢ 首都:ストックホルム
人口:1026.2万 通貨:スウェーデン・クローナ
言語:スウェーデン語(公用語)、英語、フィンランド語など
宗教:スウェーデン国教会(福音ルーテル派)57.6%
隣接:ノルウェー、フィンランド

(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIAのThe World Factbook(2022年2月時点)を参照

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)