感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』の著者が、voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」から、とっておきのアドバイス。心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】苦手を克服しようとする真面目さの末路

「苦手なこと、得意なこと」どう対処する?

きょうのひとことは、
「苦手なことは克服しようとしなくていい」

誰にでも苦手なことはあると思いますが、苦手なことへの対処法は、大きく次のふたつに分かれます。

ひとつは、苦手なことを真正面から克服しようとすること。

もうひとつは、得意なことを伸ばすことによって、苦手なことは放置するか、誰かに任せてしまうこと。

アテクシ自身は、後者のほうです。苦手なことを真正面から克服しようとするのは、すごく難しいですから、苦手なことをやらなくても済むように、自分の環境を整えるようにするのです。

多くの人は、苦手なことに真正面から立ち向かおうとしがちです。これは苦手な科目でも、頑張って勉強することを求められた学校教育の影響が大きいのでしょう。

そういうことが身に染みついてしまっているところがあるので、大人になって苦手なことがあると、「これは克服しなきゃいけない」と挑もうとするわけです。

ところが、大人になって、どうしても苦手だと思っていることは、本当に苦手なことなんですよね。克服しようとすると、挫折したり、劣等感に苛まれたりしがちです。

そんな辛さや苦労は、本来、味わう必要のないことだと思うんです。自分の苦手なことを認識するのは大切ですが、一方で得意なことを伸ばして評価されるほうがいいでしょう。

そして、苦手なことは一生懸命やらなくても済むようにする。あるいは、得意な人に任せて、苦手なことはあまり考えなくても済むようにするほうが、得策だと思うんです。

得意なことは苦労しなくても伸びやすくもあります。まして努力したら、さらに伸びやすくなります。その得意なことが他の人にとっては苦手なことだったりすると、評価も高まりますし自信も高まります。

一方、苦手なことは頑張っても伸びにくいですし、普通にできる人にとって「なんで、そんなこともできないんだろう」ということだったりすると、やればやるほど劣等感に苛まされ、そのことにとらわれて視野も狭くなりがちです。

苦手なことを克服しようとするあまり、自分の得意な能力が見えなくなったりすると、本末転倒なのです。

自分の苦手なことに振り回されそうになったら、ちょっと一息おいて、自分の苦手なことを克服しようとし過ぎてないか、ちょっと考えてみてください。

苦手なことは無理やり克服しようとしなくてもいいんじゃないかと思うんです。

きょうのひとことは、
「苦手なことは克服しようとしなくていい」
でした。

参考になったかしら?