世界最先端の革命的認知症治療に取り組む、認知症研究30年超の医学博士。
白澤卓二氏が、患者への指導はもちろん、自身が健康長寿をまっとうするために実際に取り組む食事法を紹介した健康レシピ本『認知症専門医が毎日食べている長寿サラダ』が完成した。
私たちはどうしたら、健康で長生きできるのでしょうか。
この連載では、30年以上体重をキープし、若々しいことでも有名な白澤氏が、食事を通して健康長寿を目指す方法をお伝えしていきます。

理想体重を30年維持する医師が<br />誰にでも腸活をすすめる理由Photo: Adobe Stock

心身健康の基礎!
腸内環境をよくする食品と調理のコツ

 免疫力を強化するには「腸」の健康も大切です。なぜなら、免疫細胞の約70%は、腸に存在しているから。腸が健康であれば、老廃物がとどまることなく体外に排出され、腸内細菌のバランスが善玉菌優位になって、免疫力アップにつながるのです。腸内環境を整えるためには、食物繊維が重要になります。毎日の食事で積極的に取り入れていきましょう。

 食物繊維には水溶性、不溶性がありますが、それぞれに体に有効な働きがありますので、まんべんなくとることが大事。食物繊維は根菜類やきのこ、海藻などに豊富ですが、これらはLPSも豊富な食材です。

植物性発酵食品は日本人の腸と好相性

 食物繊維のほか、発酵食品も腸内環境を整えます。発酵食品といえば、納豆やチーズ、ヨーグルトなどですが、日本人にはおなじみの漬けものやみそ、酢などもその仲間。植物性の発酵食品は、善玉菌=乳酸菌を多く含むうえ、日本人が古くから食べてきたもので日本人の腸と相性がよく、腸内でしっかりと働いてくれます。ドレッシングやサラダの具材、トッピングとして使えば、和食の献立にもなじみやすく、続けやすいのでおすすめです。善玉菌のえさとなるオリゴ糖も合わせてとるとよいでしょう。オリゴ糖は大豆、玉ねぎ、ごぼう、キャベツ、バナナなど、身近な食材にも多く含まれますので、上手に取り入れましょう。

 腸が健康になると、免疫力がアップするだけでなく、肥満、糖尿病をはじめとする生活習慣病の予防、改善にも働きます。毎日のサラダで、病気知らずの健康な体を手に入れましょう。

腸内環境をよくする食品

アボカド
食物繊維のほか、強い抗酸化作用を持つビタミンEも豊富に含みます。アボカドの脂肪はDHAやEPAと同じ不飽和脂肪酸のα-リノレン酸で、コレステロール値や中性脂肪値を低下させる働きを持ちます。

ごぼう
食物繊維を多く含む野菜の代表格です。皮には抗酸化作用を持つクロロゲン酸が含まれますので、たわしでこする程度でOK。薄めに切って、加熱時間を短くするとLPSの損失が抑えられます。

モロヘイヤ
食物繊維のほか、抗酸化作用の強いβ-カロテン、ビタミンC、E、骨粗鬆症予防におすすめのカルシウム、ビタミンKなど、若々しい体作りに必要な栄養を豊富に含む健康野菜です。

長いも
食物繊維と同じ働きを持つレジスタントスターチを含む長いも。疲労回復効果を持つアルギニンを含み、古くから滋養強壮作用が注目されてきました。LPS効果をムダにしないため、皮ごと調理しましょう。

さつまいも
腸のぜん動運動を促すヤラピンという成分や、善玉菌のえさとなるオリゴ糖を含みます。さつまいものビタミンCは加熱してもこわれにくく、ビタミンCの供給源としても優秀です。皮ごと食べればLPS効果も。

のり
LPS豊富なのりですが、食物繊維やβ-カロテンも含み、免疫力強化のためには、積極的に取り入れたい食材です。湿気に気をつければ日持ちするし、ちぎる、巻くなど使い勝手がいいので常備しておくとよいでしょう。

大豆・おから
大豆は腸内環境を整える食物繊維、オリゴ糖をはじめ、強い抗酸化作用を持つサポニンや、骨粗鬆症予防に働くイソフラボンなど有効な成分を含みます。食物繊維が豊富なおからはオイルをプラスするとしっとりとサラダ向きの食材に。

もち麦
粘りけの強い大麦の一種で、水溶性、不溶性食物繊維の両方を含みます。水溶性食物繊維のβ-グルカンが免疫力をアップし、がんを予防。ゆでるとプチプチとした食感が楽しめます。

漬けもの
白菜キムチやぬか漬け、たくあん、しば漬けなどの漬けものも発酵食品です。しっかりと乳酸発酵したものを選んでください。植物性の発酵食品は生きたまま腸に届きやすいのでおすすめです。

納豆
体にいい成分満載の納豆は、究極の長寿食材。食物繊維やオリゴ糖、抗酸化作用を持つビタミンEや骨粗鬆症予防に働くイソフラボンなども多く含みます。ビタミンK2は、長寿遺伝子を増やします(18ページ参照)。

チーズ
チーズは加熱処理されていないナチュラルチーズがおすすめです。たんぱく質の一種、ラクトフェリンの抗菌、抗ウイルス作用に注目が集まっています。トッピングやドレッシングなど、サラダに組み込みやすい食材です。

みそ・しょうゆ・酢
日本人になじみの深いこれらの調味料も発酵食品です。特に短鎖脂肪酸を増やす働きの強い酢は少しずつでもこまめにとりたいもの。サラダなら毎日ムリなくとることができます。

監修 お茶の水健康長寿クリニック院長 医学博士・医師 白澤卓二

 本原稿は、白澤卓二著『認知症専門医が毎日食べている長寿サラダ』からの抜粋です。この本には、脳と体を健康にする「長寿サラダ」のレシピを多数収録しています。一皿で栄養満点のおいしいサラダで脳と体をリセットしてみませんか?(次回へ続く)