ニュースで見聞きした国、オリンピックやW杯に出場した国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。新刊『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1カ国ずつ世界の国を紹介する。

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アイスランドってどんな国?

 アイスランドは北大西洋に浮かぶ世界最北の島国で、北極圏のすぐ南にあります。氷河のほか、活火山や溶岩原、温泉がいたるところにあり、ギャオと呼ばれるプレートの裂け目も地上で見ることができます。

 870~930年頃ノルウェー人とスコットランド及びアイルランドのケルト人が植民し、930年に発足したアルシングは世界最古の民主議会です。

 第二次世界大戦中のナチスドイツ、イギリス、アメリカによる占領を経て、1944年にアイスランド共和国として完全独立しました。1949年にNATOに加盟しましたが、EUには非加盟です。

 全島の80%は火山性地帯で、耕地は約1%しかなく、牧畜が中心です。たら・にしんなどを中心とした漁業が盛んで、水産物の大部分を輸出しています。捕鯨国でもあり商業捕鯨の再開を主張しています。

再エネ電力100%、社会福祉が充実した国

 また再生可能エネルギーのみで国内の電力需要を満たしており、水力が69.1%、地熱発電が30.9%です(2019年)。その発電を利用したアルミ精錬は世界第10位(2019年)で重要な産業となっています。

 近年は観光業にも力を入れ、観光客も訪れることができるオープンな大統領の家なども知られています。

 生活水準が高く、社会福祉も整備され、男女の格差が世界一少なく、男性の育児休暇取得率は7割を超えています。

アイスランド共和国

面積:10.3万㎢ 首都:レイキャビク
人口:35.4万 通貨:アイスランドクローナ
言語:アイスランド語(公用語)
宗教:アイスランド福音ルーテル教会(国教)62.3%

(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIAのThe World Factbook(2022年2月時点)を参照

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)