感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』の著者が、voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」から、とっておきのアドバイス。心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】まわりの行動に同調する人の末路

なぜみんなと同じ行動をしようとするのか?

きょうのひとことは、
「みんなと同じ行動をしようとするワケ」

人間は安心感を得たいがために、周りの意見に同調したり、他人の行動を真似したりする傾向があります。こうした多数派と同じような行動をとってしまう群衆行動は、行動経済学において「ハーディング現象」と呼ばれます。

それぞれの人が自分の頭で考えて、合理的な判断をしようとするのではなく、より感覚的な安心感を求めて、大勢の行動に同調しようとするのです。

さて、最大10連休となった今年のゴールデンウィーク(GW)は、3年ぶりに新型コロナ対応の行動制限がなかっただけに、各地の高速道路が渋滞し、鉄道や航空の旅客も前年比で大きく増えて、観光地が賑わったようです。

こうした大型連休の過ごし方には、人それぞれの生き方が垣間見えます。

大型連休はみんなが遠出するのだから、自分たちも遠出しようとする人もいれば、どこへ行っても混んでいるから、自宅でのんびりと過ごそうとする人もいます。

「みんなが遠出するから自分も遠出しなければ」というのは、先ほど触れた「ハーディング現象」といえるでしょう。

同じ大型連休であっても、向き合い方は人それぞれですし、そこに正解も不正解もありません。

ただし、周りの人に同調することが半ば目的化して、渋滞や人混みに巻き込まれてストレスをためてしまう人。一方で、自分の考えに基づいて、自分の納得感を優先して、あえて家でのんびりと過ごす人とでは、人生に対する向き合い方が違うように思います。

他人の意見や行動に流されやすい人と、他人を参考にしつつも、最終的には自分の考えや納得感に基づいて、主体的に決められる人の違いともいえます。

みんなと同じような行動をとると、なにかと競争率が高まって、渋滞や行列による時間的なロス、祝日料金の宿泊費など高コストを強いられがちです。そのことを納得したうえで、みんなと同じ行動をとるのが好きだということなら、否定されることではないでしょう。

一方で、周りの行動に流されず、自宅でのんびりしたり、近所の公園を散歩したりすることで、十分な満足感を得る人もいます。それぞれの人が、それぞれの選択をするわけですが、そこに人生に対する向き合い方に通じるものが見えてきます。

「みんなが遠出するから自分も遠出しなければ」という思いに駆られたとしても、本当のところ、自分はどう過ごしたいのか? 自分が本当に満足感を得られる過ごし方は、一体なんなのか?「自分が納得する選択ができているかどうか」が、人生への向き合い方に通じるのです。

ちなみにアテクシ自身は、ふだんよりちょっと寝坊しつつ、近所を散歩してみたり、実家に行ってみたりと、密にならないような過ごし方で、それなりに充実感を得ました。

少なくとも、自分が嫌なことややりたくないことを認識しているので、自分の意思に反するような行動をとってでも、周りの行動に同調するようなことはありません。

結局は自分が納得して行動しているかどうかが肝心。自分の意思を確認して、それに従って行動するようにしましょう。それが人生にも通じる大切な考え方でもあります。

周りの行動に同調しようとすることが、半ば目的化しがちな人は、自分の納得感がないがしろになることも多いです。自分の意思を大切にして、行動することを心がけてみてはいかがでしょうか?

きょうのひとことは、
「みんなと同じ行動をしようとするワケ」
でした。

参考になったかしら?