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【Twitterフォロワー30万人超の精神科医が教える】<br />言動が矛盾して苦しんでいるアナタへ

一貫性のない言動は悪なのか?

きょうのひとことは、「言動は矛盾してもいい」

言動に一貫性を欠くと、そのことを批判されることがあります。「以前言ってたことと違うじゃないか」「言っていることと、やっていることが一致していないぞ」というふうに言ってくる人がいるんですね。

何事も程度問題ではありますが、そういう指摘を気にしすぎたり、「自分はダメだな」「誠実じゃないな」なんて思う必要はありません。なぜなら、誰が、いつ、誰に、どういう状況かによって、言葉も行動も意味合いが、まったく変わってくるからです。

その一部だけを切りとると、別の状況には当てはまらないとか、違う人には当てはまらないことがあるので、矛盾してしまうのです。

時と場合によって、真逆の言動になっても間違いではない

ただし、それは一部分を切りとったからこその矛盾であって、本当の矛盾とはいえません。たとえば、Aさんに対する言動とBさんに対する言動が違っていても、それは当然のことであって、矛盾ではありません。アナタの言動が首尾一貫していないとか、適当な人間だからというわけではないのです。

違う人に、違う状況で話をしたら、それぞれに違う言動があったとしても、おかしなことではありません。正反対の言動をしたとしても、それはアナタが誠実でないということではなく、むしろ誠実だからこそ、こういう言動をするわけです。

人生において、絶対的な法則のようなものがあって、どんな場面でも同じような言動をするというのは、ありえないことです。時と場合によって真逆の言動になったとしても、それは間違いではないのです。現実の答え、現実の言動というものは、たった1つではないということです。

アナタの誠実さが失われているわけではない

言動に矛盾が生じることを批判してくる人というのは、やはり一部分だけを切りとることが多いです。批判したいがために、そうしているケースもあるでしょう。とりあえず、それはいちいち気にしないことです。

もちろん、言動が守備一貫しないといけないケースもあります。たとえば、法律や政府の施策、社会保障などのルールについては、コロコロ変わると安心して社会生活が送れなくなってしまいます。仮に勤務先の給与システムがコロコロと変わるようでは、心配になるでしょう。

しかし、それは個人の人生においての一貫性とは別の話なのです。くり返しますが、言動というのは、誰が、いつ、誰に、どういう状況かによって、言葉も行動も意味合いが、まったく変わってくるからです。

そのことで批判されたとしても、いちいち悩む必要はない。それはアナタの誠実さが失われているわけではないのです。

きょうのひとことは、「言動は矛盾してもいい」でした。参考になったかしら?

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