生きていれば、不安や悩みは尽きない。寝る前に考え込んでしまって、眠れなくなるなんてことも……。そこで参考にしたいのが、感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。
ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉の数々。とても読みやすいオムニバス形式の8つの物語は、気づかぬ間に心の荷物を抱え込んで苦しくなったとき、そっと心の荷物を手放すための優しい言葉を授けてくれる。
voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!
一貫性のない言動は悪なのか?
きょうのひとことは、「言動は矛盾してもいい」
言動に一貫性を欠くと、そのことを批判されることがあります。「以前言ってたことと違うじゃないか」「言っていることと、やっていることが一致していないぞ」というふうに言ってくる人がいるんですね。
何事も程度問題ではありますが、そういう指摘を気にしすぎたり、「自分はダメだな」「誠実じゃないな」なんて思う必要はありません。なぜなら、誰が、いつ、誰に、どういう状況かによって、言葉も行動も意味合いが、まったく変わってくるからです。
その一部だけを切りとると、別の状況には当てはまらないとか、違う人には当てはまらないことがあるので、矛盾してしまうのです。
時と場合によって、真逆の言動になっても間違いではない
ただし、それは一部分を切りとったからこその矛盾であって、本当の矛盾とはいえません。たとえば、Aさんに対する言動とBさんに対する言動が違っていても、それは当然のことであって、矛盾ではありません。アナタの言動が首尾一貫していないとか、適当な人間だからというわけではないのです。
違う人に、違う状況で話をしたら、それぞれに違う言動があったとしても、おかしなことではありません。正反対の言動をしたとしても、それはアナタが誠実でないということではなく、むしろ誠実だからこそ、こういう言動をするわけです。
人生において、絶対的な法則のようなものがあって、どんな場面でも同じような言動をするというのは、ありえないことです。時と場合によって真逆の言動になったとしても、それは間違いではないのです。現実の答え、現実の言動というものは、たった1つではないということです。
アナタの誠実さが失われているわけではない
言動に矛盾が生じることを批判してくる人というのは、やはり一部分だけを切りとることが多いです。批判したいがために、そうしているケースもあるでしょう。とりあえず、それはいちいち気にしないことです。
もちろん、言動が守備一貫しないといけないケースもあります。たとえば、法律や政府の施策、社会保障などのルールについては、コロコロ変わると安心して社会生活が送れなくなってしまいます。仮に勤務先の給与システムがコロコロと変わるようでは、心配になるでしょう。
しかし、それは個人の人生においての一貫性とは別の話なのです。くり返しますが、言動というのは、誰が、いつ、誰に、どういう状況かによって、言葉も行動も意味合いが、まったく変わってくるからです。
そのことで批判されたとしても、いちいち悩む必要はない。それはアナタの誠実さが失われているわけではないのです。
きょうのひとことは、「言動は矛盾してもいい」でした。参考になったかしら?
※『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)にお悩みの解消法があります。