生きていれば、不安や悩みは尽きない。寝る前に考え込んでしまって、眠れなくなるなんてことも……。そこで参考にしたいのが、感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。
ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉の数々。とても読みやすいオムニバス形式の8つの物語は、気づかぬ間に心の荷物を抱え込んで苦しくなったとき、そっと心の荷物を手放すための優しい言葉を授けてくれる。
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【Twitterフォロワー30万人超の精神科医が教える】<br />「頑張らない」で生きるのが正しいのか?<br />頑張って「損する人」と「得する人」の決定的違い

ほどほどに頑張るということ

近ごろは「頑張らない」「頑張らなくていい」というアドバイスが多いですよね。

これは仕事や家事、育児などで頑張っている人、もしくは頑張るのが当たり前だと思ってる人に向けて、頑張りすぎてしまうことへの戒めのようなものでしょう。度を越して頑張りすぎることよって、精神的にダウンしてしまう人も少なくありません。

ただし、頑張ること自体が悪いわけではありません。「ほどほどに頑張ること」が大切なわけです。

スポーツにたとえるとわかりやすい

アテクシが医学生だったころは、うつ病に対する一般的に認知度がまだまだ低かった時代です。その後、だんだん認知度が高まって、精神的に調子が悪くなった人が精神科を受診することも多くなりました。

そういう社会的背景もあって、頑張りすぎることの弊害がクローズアップされてきたんですね。精神的に患うことのないように「頑張らない」「頑張らなくていい」というメッセージが広まりました。

これはスポーツと一緒だと思うんです。スポーツをすることは、基本的にはカラダにいいことです。でも、頑張りすぎると故障したり慢性疲労に陥ったりと、さまざまな弊害が出てきてしまいます。

頑張ることは悪いことなのか?

やはりスポーツも「ほどほどに頑張ること」が大切なわけです。ただし、くり返すように頑張ること自体が悪いことではありません。自分が納得するまで一生懸命頑張ってみることによって、“人生の深み”のようなものが得られるという側面もあります。

また、頑張った経験を通じて、ほどほどに頑張るというバランス感覚もわかってきます。世の中的に「頑張る=悪」のように、ちょっと偏った認識が強まっている気がするのですが、「頑張ってはいけない」「頑張ることはよくない」ということではありません。

頑張って損する人は、いくら好きなことを頑張るにしても、闇雲に頑張りすぎてしまいます。頑張って得する人は、いくら好きなこととはいえ、頑張りすぎないようにブレーキをかけたり、メリハリをつけて休憩を入れたりしながら、ほどほどに頑張るように心がけています。

「頑張らない」で生きるというのが決して正しいわけではないのです。

『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)にお悩み解消のヒントがあります。