生きていれば、不安や悩みは尽きない。寝る前に考え込んでしまって、眠れなくなるなんてことも……。そこで参考にしたいのが、感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。
ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉の数々。とても読みやすいオムニバス形式の8つの物語は、気づかぬ間に心の荷物を抱え込んで苦しくなったとき、そっと心の荷物を手放すための優しい言葉を授けてくれる。
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【Twitterフォロワー30万人超の精神科医が教える】<br />アナタがハマりがちな<br />“承認欲求の沼”を避ける方法

他人にどう思われたいか?

理想の自分」になることを目標に掲げる人がいます。一見、よいことのように思えるのですが、実はそうともいえないんです。なぜなら、理想の自分になるための観測点というのは、「他人からどう思われたいか?」ということに基づくものだからです。

つまり、理想の自分になるということは、他人の視点を意識しているがために、そういう目標を掲げてしまうということです。理想の自分になりたいという人は、逆にいうと「現在の自分は理想じゃないからつらい……」という話になりがちでもあります。

承認欲求の沼にハマる

これは承認欲求の現れなんですね。承認欲求というのは、「他人から認められたい」「自分自身を認めたい」という願望のことです。噛み砕いていうと、理想の自分になって他人から認められたい、自分自身を認めたいということになります。

それは全否定されることではないのですが、健全な目標かというと、そうともいえないのです。他人から認められたいがために、理想の自分を真面目に追い求めてしまうと、結果として、理想の自分になれない。なぜなら他人から認められたいという承認欲求は、キリがないからです。

他人軸から自分軸にシフトする

では、どうしたらいいかというと、判断基準を他人軸から自分軸にかえることです。「自分に対して他人がこう思うだろう」という発想から「自分がこうなりたい」という発想にかえるということ。別のいい方をすると、「他人の評価」という受け身の発想から「自発的な欲求」に従うという発想です。

なにが明確に違うかというと、「承認」という視点がないことです。仕事の目標についていうと、たとえば同じ「営業成績トップになる」という目標であっても、「営業成績トップになって上司や同僚からすごいと思われたい」というのは承認欲求が強いですが、「営業成績トップになってより多くのお客さんを幸せにしたい。給料を増やして家族を幸せにしたい」という目標は判断基準が自分にあります。

結局、自分はなにをしたいのか?

承認欲求に基づく目標を立てて、それを追い求めると不安さがつきまといがちですし、他人の評価軸がベースにあるので、つらいんですね。そうじゃなくて、「自分がなにをしたいのか」ということに置き換えて考えてみてください。

そして、「理想の自分」という発想は、いったんやめてみる。「自分がなにをしたのか」を考えて、それを目標にすると自然と一生懸命やるようになります。すると目標に近づきやすいですから、モチベーションも高まりやすいです。

なにより、自分がやりたいこと一生懸命にやっている人というのは輝いてます。それこそが、結果として「理想の自分」になるはずなんです。

『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)にお悩みの解消法があります。