アナウンサーになろうとは1ミリも思っていなかったというTBSの井上貴博アナウンサーが、初の著書『伝わるチカラ』(ダイヤモンド社)を刊行!「地味で華がない」ことを自認する井上アナが実践してきた52のことを初公開している。300ページ以上にわたる本書は、テレビの最前線で培ってきた「伝わらない」が「伝わる」に変わる方法が満載だ。人前で話すコツ、会話が盛り上がるテクなど、仕事のプレゼンやプライベートの雑談でも役立つノウハウと、現役アナウンサーならではの葛藤や失敗も赤裸々に綴る。
※本稿は、『伝わるチカラ』より一部を抜粋・編集したものです。

【現役ニュースキャスターが教える】<br />言葉に「インパクト」が生まれる!<br />ちょっとしたコツで激的に変わる修飾語の使い方

過剰な修飾語は省く

情報を絞るだけでなく、“過剰な修飾語”もできるだけ省くのが理想です。

ものすごく綺麗ですね」「めちゃくちゃ美味しいです」

ついつい言いがちかもしれませんが、修飾語が多すぎると、かえって言葉にインパクトがなくなります。

ラーメンにたとえると、「全部載せラーメン」を食べ続けていると食傷気味になり、トッピングのありがたみが薄れるのと似ています。全部載せラーメンに飽きた人が、シンプルなラーメンを食べると、新鮮な美味しさをあらためて実感しやすいでしょう。

これは言葉も同じです。みんなが過剰な修飾語を使っているなかで、1人だけシンプルな言葉づかいをすると、かえって伝わりやすくなるのです。修飾語を削るにあたっては、まず修飾語の使いすぎに気づくことが肝心です。

修飾語を使うなら「ここぞ」というときに限定

同僚に「今日はめちゃくちゃ暑いね」と言ったあと、(あ、「めちゃくちゃ」と言ってしまった!)と気づけば、次こそは回避しようとする意識が働きます。このように意識することで、修飾語を減らしていけます。修飾語を使うなら「ここぞ」というときに限定しましょう。

その際、「めちゃくちゃ」「ものすごく」ではなく、「法外な」「とてつもない」「並外れた」など、耳新しい言葉を使うとよりインパクトがあるでしょう。次の言い換えも参考にしてみてください。

すべて → ことごとく、ありとあらゆる、一つ残らず、頭のてっぺんからつま先まで
しっかりと → 丹念に、注意深く、根気づよく、地道に、念入りに
さまざまな → バラエティに富む、広範にわたる、多種多様な
いい、良い → 完璧な、望ましい、理想的な
悪い → 残念な、有害な、あくどい、言語道断、見るに堪えない

※本稿は、『伝わるチカラ』より一部を抜粋・編集したものです。