「仕事がおもしろくない」「上司にうんざり」「もう会社を辞めたい!」
そんな思いが少しでもあるなら参考にしたいのが、92歳にして、現役総務課長としてバリバリ働いている玉置泰子さんの著書
『92歳 総務課長の教え』だ。
ベストセラー作家・本田健氏も絶賛する泰子さんの教えは、新入社員からベテラン社員まで即役立つ、説得力あふれる教訓が満載。「世界最高齢の総務部員」として、ギネス世界記録に認定された泰子さんが、長く幸せに働く63の秘訣を手とり足とり教えてくれる。

※本稿は、『92歳 総務課長の教え』より一部を抜粋・編集したものです。

【92歳の現役総務課長が教える】<br />何歳になってもわかりやすく伝わる2つのステップとは?鳴田小夜子(KOGUMA OFFICE)

伝えたいことを書き出してみる

会社員にとって、話し方や聞き方は重要なスキルです。仕事の基本は、相手のニーズや不満を聴き出すこと。それにどのような提案ができるかをわかりやすく伝えることも求められます。

話すときは、自分の考えていること、伝えたいことをまとめる力も必要になります。とりとめのない話は、忙しい人には相手にされません。話す内容を頭のなかでまとめるのが苦手なら、面倒くさがらず、箇条書きでいいので書き出してみるといいです。わざわざ長い文章にする必要はありません。ポイントだけで十分です。

さらに、その箇条書きを、どの順番で話せば伝わりやすいかを考えて、順番に組み替えてみることです。それが、そのまま相手に伝えるときの台本として機能します。この段階までしっかりとできていれば、自信を持って話せるようになるでしょう。

【わかりやすく伝える2つのステップ】
話したいことを箇条書きでアウトプットしてみる
箇条書きを伝わりやすい順番に並べ替えてみる

なぜ伝える自信が持てないのか?

何かを伝えるには、やはり準備が大切です。そして、自信を持って臨めば、聴き手は「おぉ、この人ならさぞ中身のある話をしてくれるに違いない」と傾聴する態勢に入ってくれるもの。そういえば、人を惹きつけるのが上手な政治家の多くは演説の際、胸を張って、自信に満ちているように見えます。

どことなく自信がなさそうな人の話は、相手の耳には届きづらいものです。自信が持てないのは、性格がどうこうという以前に、話す内容がまとまっていないからでしょう。口下手で控えめな性格の人でも、話すことと順番が決まっていれば、不安が減って、ある程度の自信を持って話ができるようになると思います。

話す内容は肝心ですが、それをどのように伝えるかも大切です。心理学の実験では、コミュニケーションのうち、言語情報(話す内容)が与えている影響は、わずか7%なのだそうです。そういえば、『人は話し方が9割』というビジネス書がベストセラーになっています。話す内容が7%しか影響しないと私自身は思えませんが、せっかく中身のある内容が伝わらないともったいないです。

伝わる力が高まる4つの話し方

私が考える話し方のポイントは、次の4つです。

大きな声で明るくゆっくり話す
話す内容に自信が持てないと声は小さく暗くなり、早口になりがち。自信を持って大きな声でハキハキと、明るくゆっくり話しましょう。大事な内容だから絶対に伝えたいとい
う強い思いがあれば、おのずとそうなるはずです。
相手の目を見て話す
「目は口ほどに物をいう」という言葉があるように、まなざしだけでも思いは伝わります。そして目と目を合わせてアイコンタクトをしていれば、相手はこちらの話を聞き逃すま
いと、真剣に耳を傾けてくれるようになります。
大きな身振りを交える
身振り手振りといった言葉以外の情報(ノンバーバルな情報)も、相手に大きな影響を及ぼします。大きなアクションで相手の注意を引きつけ、興味・関心を高めます。手を広げることは有効ですが、その際は拳を握らないのが、ちょっとしたポイントです。拳を握ると、ボクサーのファイティングポーズのようで攻撃的に見えがちです。相手はリラックスできません。手のひらを広げて胸も開き、相手の警戒心を解いてあげましょう。
笑顔を忘れない
最後に大事にしたいのは、やはり笑顔です。ニコニコしながら話をしている人に、聴き手は悪い印象を持たないものです。好印象の人が語る内容なら、余計に頭に入ってきやすいでしょう。

※本稿は、『92歳 総務課長の教え』より一部を抜粋・編集したものです。