経営コンサルタントの神田昌典氏がアメリカで百年以上続く売れるコピーライティング技術を日本で普及させ25年。その集大成が『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』(通称・コピ全)だ
1987年から続く信頼の書評専門誌『トップポイント』でも、
「売上アップに直結する100のコピーライティング技術を体系的に指南。まさに「大全」の名にふさわしい実践マニュアル」と絶賛。
だがこの本、A5判468ページ、3520円(税込)という稀に見るスケールの本だ。
ベストセラー『売上最小化、利益最大化の法則』著者の木下勝寿氏は本書をこう評す。
この本を読めば、ABテスト100回分を節約できる。3520円はタダみたいなものだ
この本を4時間かけて読むことで、クリエイティブに悩む時間を400時間削減できる
WEBクリエイティブをやっている人にとっては“すぐに使えるノウハウ”が満載。正直、同業者の私の立場からすると、読者のスキルが“すぐ”に上がるので競合が増え、あまり売れてほしくない(笑)
普段クールな木下社長が、珍しく興奮気味に話すのはなぜか。
無一文から4年連続上場&株価上昇率日本一&利益率20%台という超効率会社をつくり、現在も東証プライム上場社長・現役マーケッターとしてD2Cの最前線にいる木下社長に、編集者も気づいていなかった、本書の読みどころについて聞いた。

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一瞬で思い込みを捨てる
たった1つの習慣とは?

私はいつも
「自分の立場で思考」した後に
「相手側の思考」でもう一度考える
という工程を入れる。

たとえば、「競合対策」の場合、
ひととおり自社の立場で試作を考えた後、

自分が競合だったら
当社をどう攻めるか?

「広告作成」の場合は、

テンションの低い状態の
ユーザーだったら
どう見えるか?

という観点で思考し直すのである。

そうすると、
自分の立場からの
思い込みから解き放たれ、
見えていなかった
「やるべきこと」が見えてくるのである。

『機動戦士ガンダム』からの
大いなる学び

私自身が「相手側から見る」ようになったのは、
アニメ『機動戦士ガンダム』(1979年放送)が
主人公側(地球連邦軍)の正義だけではなく、
敵国側(ジオン公国)の正義からも見ることで、
当時、子どもながらに
「正誤や善悪って、
あくまでも主観なんだな」
と気づかされたからである。

典型例が、主人公側から見れば
「正義の味方」のガンダムが、
敵側からすれば「白い悪魔」
と呼ばれていることである。

原作者の一人、富野由悠季氏の作品は、
「善と悪は見方を変えれば逆転する」
というテーマが置かれており、
勧善懲悪のスタンスで物語が始まりながら、
途中や最後に敵側の観点から見直すのである。

そうすると、
最初は「善」と思っていた主人公側は
敵側から見れば
とんでもない極悪だったりするのである。

初代(ファースト)ガンダムで
「善」だった「地球連邦軍」は
続編以降では常に
「諸悪の根源」として描かれている。

一番衝撃を受けたのが、
主人公が敵兵に見つかった際、
隠し持っていた銃で敵を倒した時である。

主人公の母親が
「あの人たちだって
子どももあるだろうに、
それを撃つなんて」
とたしなめたのである。

正直、私が子どもの頃は
主人公が敵を倒して
親に叱られるなんて
意味が理解できなかった。

ただ、大人になってくると、こう思ってきた。

闇雲に敵を倒してはいけない理由

「人と人との争いは善悪ではなく、
意見の食い違いから起きているだけで、
相手が悪なわけではない。
だから闇雲に敵を倒してはいけない

このことがわかってきた頃、
そのセリフが出てきた意味が
理解できるようになった。

このように
勧善懲悪的なアニメの世界ですら、
「善と悪は見方を変えれば逆転する」のであれば、
すべての人が自分を正義と思って行動している
リアルの世界においては
見方を変えれば簡単に逆転してしまう。

競合対策なんて、
「相手の立場ならどう攻めるか」
を考えれば、対策法は一発でわかる。

だからこそ、
常に自分側の視点だけでなく、
相手側の視点で解釈し直すと、
融和点や解決策が簡単に見えてくるのである。

Ps.)
実は、
「自分の立場で思考」した後に
「相手側の思考」でもう一度考える
という工程を入れるというのは、
言うは易くやってみると結構難しい。

そこでオススメな教材が、
コピーライティング技術大全』である。

この本は自分の思い込みが
これほどまであったのかと、気づかせてくれ、
読むたびに
これでもか、これでもか、と
固定観念をバシバシ打ち砕いてくれる。

私自身は必死で考えたつもりでも、本書を見返すと、
まだまだ甘かったか」と反省させられる。

ライバルが増えるので、
正直、
売れてくれないほうが
私は助かる!

だが、健全な業界全体をつくることは
私のミッションでもある。

この本から学んだ人だけが、
10年後、20年後、
たくましく成長していくのだろう。

私にはその景色がくっきり見える。
この本で、みんなで成長していこう

【東証プライム上場社長&現役マーケッターが教える】<br />一瞬で思い込みを捨てる、たった一つの習慣
【評者】木下勝寿(Katsuhisa Kinoshita)
株式会社北の達人コーポレーション代表取締役社長
1968年、神戸生まれ。株式会社リクルート勤務後、2000年に北海道特産品販売サイト「北海道・しーおー・じぇいぴー」を立ち上げる。2002年、株式会社北海道・シー・オー・ジェイピーを設立(2009年に株式会社北の達人コーポレーションに商号変更)。
2012年札幌証券取引所新興市場「アンビシャス」、2013年札幌証券取引所本則市場(通常市場)、2014年東京証券取引所の市場第二部(東証二部)、2015年東証一部と史上初の4年連続上場。2017年、時価総額1000億円。2019年、「市場が評価した経営者ランキング」第1位(東洋経済オンライン)。日本政府より紺綬褒章7回受章。
「びっくりするほどよい商品ができたときにしか発売しない」という高品質の健康食品・化粧品で絶対に利益が出る通販モデルを確立。「北の快適工房」ブランドで、機能性表示食品「カイテキオリゴ」やギネス世界記録認定・世界売上No.1となった化粧品「ディープパッチシリーズ」などヒットを連発。売上の7割が定期購入で18年連続増収。ここ5年で売上5倍、経常利益7倍。利益率29%は、上場しているおもなEC企業平均の12倍の利益率。株価上昇率日本一(2017年、1164%)、社長在任期間中の株価上昇率ランキング日本一(2020年、113.7倍、在任期間8.4年)。日本経営合理化協会セミナー「『北の達人』他社を突き放す5つの戦略」は参加費4万円超ながら327人が受講。初の著書『売上最小化、利益最大化の法則──利益率29%経営の秘密』が8刷のベストセラーとなり、【2021年 スタートアップ・ベンチャー業界人が選ぶビジネス書】大賞受賞。近著に『ファンダメンタルズ×テクニカル マーケティング──Webマーケティングの成果を最大化する83の方法』。
【株式会社北の達人コーポレーションHP】
https://www.kitanotatsujin.com/
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