生きていれば、不安や悩みは尽きない。寝る前に考え込んでしまって、眠れなくなるなんてことも……。そこで参考にしたいのが、増刷を重ねて好評多々の感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉の数々。とても読みやすいオムニバス形式の8つのショートストーリーは、ふと心が苦しくなったとき、そっと心の荷物を手放すための優しい言葉を授けてくれる。voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!

【Twitterフォロワー30万人超の精神科医が教える】自分が自己中だと思った時点で自己中ではない本当に「自己中な人」ってどんな人?

アナタは自己中ではない

「もしかしたら自分は自己中心的かもしれないのですが、どうしたらよいでしょうか?」というお悩みをいただくことがあります。まずお伝えしたいのは、「自分は自己中心的ではないか?」と思っている時点で、「アナタは自己中心的ではない」ということです。

本当に自己中な人は、自分が自己中だという自覚がありません。自覚がないから反省もしないわけです。むしろ、まわりの人のほうが自己中だと思っていたりします。ぜんぜん変わりようがないというか、結局のところ、どうしようもないんですね。

だから、「自分が自己中ではないか?」という視点が生まれた時点で、もう自己中ではない。解決の糸口をつかんでいますから、自分を変えることができます。気づきを得た時点で、やめるべきこと、改善すべきことが自分で見えてきますから、それを実行できるのです。

自分のふるまいは、自分では気づきにくい

「自分が自己中ではないか?」という視点が生じたら、まわりの人に「自分は自己中で迷惑をかけていないか?」ということを率直に尋ねてみたり、関係性によっては「なにか気になることがあったら指摘してね」と伝えておくといいでしょう。

もしこれまで自己中でまわりに迷惑をかけていたとしても、本人にその自覚が生まれて、自分を変えよう、よくしようと頑張る人に対しては、まわりの人は優しく協力してくれるものです。自分のふるまいは、なかなか自分で気づきにくいので、フィードバックを得られる環境を自分でつくってみるといいです。

「自分が自己中ではないか?」と思っている人が、このテーマについてここまで読んで、自分に問いかけている時点で、やるべきことは見えてきていると思います。もう自分を改善する道を歩んでいるに等しいです。

いつでも心にとどめておくべきこと

ただ、今後行動するときに「自分が悪いかもしれない」という客観的な視点を持つことを忘れないようにしてください。「相手のほうが悪い」という視点で、相手を攻めて自分を守ろうとする人は自己中心的になってしまうからです。

自分に都合の悪いことが起きると、ほかの人のせいだという思考が根づいていると、自分をふり返ることができません。じつは自制心が強すぎるのも問題ですが、自制心がなさすぎるのも問題なのです。反省するというのは、行動を変えて、よりよくしようということですから、自分を責めるということではありません。

自分を省みるということが大切。それによって少しずつ、よい方向に変わっていくはずです。自分に問題点があったとしても、そのことに気づき、自分が悪いかもしれないという視点を持ち続けていれば、おのずと改善できるようになります。

『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)には、不安や悩みを解消するヒントが満載です。