【「5回勝負して4回勝つ人」と「100勝負して60回勝つ人」ビジネスで優秀なのはどっち?】の広告でも話題沸騰。全国3000社が導入し、話題沸騰のマネジメント法「識学(しきがく)」の代表・安藤広大氏の最新刊『数値化の鬼』。「仕事ができる人」に共通することは、「数字で考えること」や「数値化のクセをつけること」だと言う。数字によって自分の不足を客観的に受け入れ、次の行動設定や行動変容につなげることによって、人は「急成長」する。
「数字で人を見るな」「数字がすべてではない」ということはよく言われるが、「数字」は決して無視できない存在。この本では、「感情を横に置いて、いったん数字で考える」「一瞬だけ心を鬼にして数値化する」など、頭を切り替える思考法を紹介する。
「PDCA」をやってみる
「PDCA」とは、次の4つの略です。
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P(プラン:計画)… 数値化された目標
→ 例「400ページの本を読み切る」
D(ドゥ:行動)… 計画を基にした具体的なプロセスや行動
→ 例「1日20ページずつを読む」
C(チェック:評価)… 上司が与える評価、あるいは自らによる振り返り
→ 例「1日の終わりに、読んだページ数を確認する」
A(アクション:改善)… 評価を基にした反省と次の改善点
→ 例「明日はどうやって20ページ読むかを決める」
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自分でPDCAを回す
これをあなたの仕事に当てはめてみましょう。
たとえば、
「P(計画)」→「半年で12件の新規顧客を獲得する」
という目標を考えてみます。
それを元に行動して、半年後に上司から評価を受けます。
プレーヤーがやるべきことは、この「P」を1日ごとに分解します。
「D(行動)」→「1日4件のアポを入れる」
という「行動」を設定し、それを毎日、自分で把握します。
「3件のアポがあったから半分以上は達成できた」というような、曖昧な振り返りはNGです。
心を「鬼」にすることが大事です。
「3件のアポしか入れられなかったから未達だ。昼過ぎのタスクに2時間かかったので午前中の1時間で終わらせられるように時間管理する」と、数字によって自分をマネジメントします。
上司がPDCAを回す
また、上司に1週間ごとに進捗を報告・確認することもあります。
ここでも、PDCAのサイクルが使われます。
上司「半年で12件の新規顧客の獲得が目標でしたが、今週でちょうどひと月が経ちました。2件の契約は取れていますか?」
部下「1件の契約しか取れていません」
上司「未達ですね。来週はどのように改善しますか?」
と、上司によって「C(評価)」がおこなわれます。
部下「来週から気合いを入れ直します」
というような、数字のない改善に意味はありません。
部下「社員数10人未満のクライアントからのメール返信率が高いので、そこを重点的に、小企業へのアポを1.5倍に増やします」
と、数字の入った分析と改善ができて、初めてPDCAが意味をなします。
これなら、「小企業へのアポを1.5倍に増やす」ので「行動量」も増えますね。
ここでもうひとつ重要なのは、「小企業へのアプローチ」が正解かどうかは判断しないということです。
まずは、行動してみて、そこから判断します。
「小企業にもっとアプローチしたほうがいい気がするけど、アポを増やしても契約が増えるかどうかわからないな……」と、「P(計画)」の段階で考えすぎると、行動は止まります。
日々の業務の中で「行動」を設定したら、「何回やったのか」「期限内に何時間できたのか」と、行動量を増やすことだけを考えます。
そのためにも、「数値化」は必須の能力です。
日々の行動に迷いがなくなるレベルにまで「行動に分解できていること」が重要です。
そうやって、素早く「D」に移り、「行動量」を増やせるプレーヤーになりましょう。
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社NTTドコモを経て、ジェイコムホールディングス株式会社(現:ライク株式会社)のジェイコム株式会社で取締役営業副本部長等を歴任。2013年、「識学」という考え方に出合い独立。識学講師として、数々の企業の業績アップに貢献。2015年、識学を1日でも早く社会に広めるために、株式会社識学を設立。人と会社を成長させるマネジメント方法として、口コミで広がる。2019年、創業からわずか3年11ヵ月でマザーズ上場を果たす。2022年7月現在で、約3000社以上の導入実績があり、注目を集めている。最新刊『数値化の鬼』(ダイヤモンド社)の他に、36万部を突破したベストセラー『リーダーの仮面』(ダイヤモンド社)などがある。