(3)二面的なネットワーク効果

 ネットワーク効果は二面的なものになることがある。何かが成長すると、また別の何かへの需要が高まることがあるからだ。

 たとえば、ウーバー・ライダー(自転車、バイクの配達員)の数が増えると、それにつれてウーバー・ドライバー(自動車による配達員)への需要が高まる。また、アドビ・リーダーのユーザーが増えれば、同時にアドビ・ライターへの需要も高まる。これが二面的なネットワーク効果だ。

 世界のスマートフォン市場に目を向けると、iPhoneのシェアは25%、マイクロソフトのシェアはわずか0.1%である(2)。そして、アンドロイドのシェアは実に74%にも達している。(注:本書が執筆された2020年時点のデータ)

 こうなっているのは、アンドロイドの場合、OSとハードウェアを切り離し、アンドロイドを多種多様なスマートフォンで動作するオープンなシステムにしているためである。

 アンドロイドのOSは、サムスン、LG、グーグルなど、多数のメーカーのスマートフォンで動作する。これは、プラットフォーム戦略が奏功した好例と言っていいだろう。