「人前で話すのが苦手」「プレゼンで緊張してしまう」「雑談も苦手」
そんなアナタが参考にしたいのが、TBSの井上貴博アナウンサーの著書
『伝わるチカラ』(ダイヤモンド社)だ。アナウンサー歴15年で試行錯誤しながら実践してきた52のことを初公開。「地味で華がない」ことを自認する井上アナが、情報・報道番組の最前線で培ってきた「伝わらない」が「伝わる」に変わるテクニックが満載。人前で話すコツ、会話が盛り上がるテクなど、仕事のプレゼンからプライベートの雑談まで即役立つノウハウ、さらに失敗や葛藤についても赤裸々に語る。
※本稿は、
『伝わるチカラ』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

プレゼンが苦手な人は必読!<br />無意識に思い込んでいるけれど<br />“実は真逆”のプレゼン・テクニック

堂々としなくてもいい

一般的にプレゼンやスピーチでは、胸を張って堂々とすることが奨励されます。具体的には、アメリカの大統領や起業家が人前で話しているときのようなイメージがよしとされています。

1000人を前に話すようなシチュエーションでは、ああいう堂々とした振る舞いをしたほうが、メッセージが伝わりやすくなります。ただ、日本人のプレゼンやスピーチには、堂々とした話し方はあまり馴染まないと思うこともあります。

胸を張って堂々と話す様子が、ちょっと偉そうで鼻につくこともあるからです。

猫背にしたり、小声にしたり

私は『Nスタ』では、堂々と胸を張ることを意識していません。むしろ、少し猫背にしたり、ときどき小声にしたりと、控えめな姿勢をとることが多いです。

また、カメラに対して少し下に目線を置き、伏し目がちにしています。あごを引き、ちょっと恥ずかしそうに、自分を小さく見せているのです。

報道番組の性質上、普通に話しているだけで偉そうな印象を与えてしまいます。おまけに私は、自分を主語にして忖度のない発言をすることもあります。

トチったりアワアワしたほうが
共感を得られやすい

自分の意見を口にするときに「いい意見を言っているぞ」という空気感が出ると、偉そうな雰囲気に拍車がかかります。そこで、できるだけ偉そうな印象を緩和し、やわらかな印象を演出しているのです。

もちろん、振る舞い方は時と場合によるので、猫背や伏し目がちな視線が絶対的な正解ではありません。ただ、常に堂々としている人よりも、少しくらいトチったり、アワアワしたりしながら必死で頑張っている人のほうが、共感を得られやすいのはたしかです。

無理に堂々とせず、
むしろ笑顔を意識する

私がお近づきになりたいと思うのも、やっぱり控えめなタイプです。だから、話している途中に噛んでも構いませんし、よどみなく話すことを過度に意識しなくていいのです。

グローバル社会では、押しの弱い日本人は通用しないといわれますが、恥じらいも日本らしい文化の1つですし、無理に堂々としても苦しくなります

堂々と胸を張るよりも、前回お話ししたように笑顔をつくるほうが先決です。特に男性は真顔でいるだけで怒って見られがちなので、まずは笑顔を意識してください。

※本稿は、『伝わるチカラ』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。ぜひチェックしてみてください!