ニュースで見聞きした国、W杯やオリンピックの出場国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。

「ベルギーってどんな国?」2分で学ぶ国際社会Photo: Adobe Stock

ベルギーってどんな国?

 ベルギーはヨーロッパ北西部に位置し、オランダドイツ、ルクセンブルク、フランスと隣接し、北岸は北海に面する国です。

 1830年にオランダから独立しました。公共交通機関の案内には、フランス語とオランダ語の2ヵ国語表記が義務づけられ、観光地では英語も通じるため、3言語以上の話者が多い多言語国家です。このため首都ブリュッセルには、EUの主要機関やNATOの本部が置かれています。

 古くはフランドル地方の毛織物工業を背景に商業の中心地として繁栄しましたが、その後豊富な石炭により先進工業国として発展しました。

 石炭産業が斜陽化した後は、外国資本の導入による産業構造の転換と、近隣諸国との経済統合を進めた結果、主要産業は機械・化学・金属・食品加工などとなり、輸出・輸入とも貿易依存度が高く、75%(2020年)を超えています。

 世界でも指折りのチョコレート輸出国としても知られるほか、ベルギー第2の都市アントワープは世界最大級のダイヤモンドの街です。15世紀にインドから運ばれたダイヤの原石を港で荷下ろししていたことから取引が盛んになり、現在でもダイヤの加工所が多くあります。

 また、日本のアニメ『フランダースの犬』の舞台は、アントワープに隣接する村がモデルで、アントワープの聖母大聖堂には、作中に登場するルーベンスの絵画「キリスト昇架」があります。

「ベルギーってどんな国?」2分で学ぶ国際社会

ベルギー王国

面積:3.1万km2 首都:ブリュッセル
人口:1177.9万 通貨:ユーロ
言語:オランダ語(公用語)、フランス語(公用語)、ドイツ語(公用語)
宗教:カトリック50%
隣接:オランダドイツ、ルクセンブルク、フランス

(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)