電力崩壊 業界新秩序#7Photo:123RF

新電力は、老舗であっても大手企業がバックにいても無関係の「撤退戦」に突入している。特集『電力崩壊 業界新秩序』(全9回)の#7では、大手のエネルギー・商社・通信が直接・間接的に資本参画する専業系新電力23社の経営危険度ランキングを紹介する。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)

東北電力・東京ガス系の新電力が撤退表明
経営危険度ランキングでワースト2位に

 新電力大手のシナジアパワーが11月末での小売り事業終了を発表し、業界内外に衝撃が走った。

 同社は関東圏で電力小売りを行うために、東北電力と東京ガスが共同出資して設立した新電力。エネルギー大手であり資本力もある企業がバックについていても、業績が悪ければ見切りをつけるステージに入ったのである。

 そこでダイヤモンド編集部は大手エネルギーに加えて、大手商社・通信会社が直接・間接的に資本参加する新電力のうち、2021年度電力販売量上位100に入る「専業系」に絞って経営危険度ランキングを作成した。なお新電力を取り巻く環境は刻々と変化しているため、決算期を22年3月に統一し、23社をピックアップした。

 大手エネルギー・商社・通信が関係する新電力は、名が通っている。2000年代の新電力黎明期から参入していたり、出資元の資本力やビジネス網によって急成長してきたりしたところが多い。出資元の支えによって企業体力もある。そうしたところが撤退するというのは、いかに新電力市場が厳しいかということの表れだ。故に、動向に関心が集まっている。

 ランキングでは前出のシナジアパワーがワースト2位に、NTTアノードエナジー、東京ガス、大阪ガスが出資する新電力最大手エネットがワースト5位に入った。

 気になるランキングを一挙公開しよう。