わずか36年でトヨタと並ぶ1兆円企業に!

 現在までの歩みを振り返っても、ソフトバンクは創業36年目に当たる2017年3月期決算で純利益1兆円を超え、創業80年を超えるトヨタ自動車に迫っています。

 なお、トヨタ自動車が純利益1兆円に到達するまで創業から67年かかったので、単純計算でソフトバンクの成長速度はトヨタの約2倍ということになります。

 日本を代表する企業と比べて2倍なのですから、一般的な会社と比べれば、5倍や10倍のスピードで前へ進んでいるはずです。

 ほんの17年前は、小さな古い雑居ビルの一室で、孫社長と私を含めてわずか4名のメンバーで細々と「Yahoo!BB」プロジェクトの立ち上げを進めていたのですから、それを思うとこの成長速度は驚異的としか言いようがありません。

 孫社長の時間感覚は、他の経営者と比べても別次元と言っていいでしょう。

 例えるなら、みんなが徒歩でゴールを目指している中で、孫社長は1人だけ車に乗っているようなものです。

 他の人たちが「どうしたらもっと速く歩けるか」という競争を繰り広げている時に、車というまったく別の手段を使う人間が現れたら、勝てるはずがありません。

 孫社長率いるソフトバンクの経営や組織の仕組みは、従来の日本企業が必要としていた時間を一気に飛び越えてしまう力を持っているのです。