まずはAとBの文章を読み比べてみてください。

A「このドーナツは、超美味しいけど高カロリー」
B「このドーナツは、高カロリーだけど超美味しい」

 AとBの文章は、同じ単語を並び替えただけなのですが、随分印象が違うような気がしませんか?
 美味しそうに聞こえるのはAとB、どちらでしょうか?

 おそらく「B」と答える人が多いのでは、と思います。
 これは脳の習性の1つに、「最後に聞いたことが印象に残りやすい」という性質があるから。

 先ほど「考える順番が大切」と言ったのは、そのためです。
 つい相手優先で考えてしまう人は、自分のことについて考えるのが苦手です。

 いきなり「自分のことについて考えましょう」と言われても難しいですから、「最後に聞いたことが印象に残りやすい」という脳の習性を利用して、自分の気持ちを無理なく意識することから始めましょう。

 例えば、「あの人はこうしてほしいだろうなぁ」と思った時。
「あの人はこうしてほしいだろうなぁ」は主語が「相手」ですから、これは相手優先の考え方です。

 ここに「自分」をプラスすると、結果的に自分優先に考えることができます。
「あの人はこうしてほしいだろうなぁ。……でも自分は、どうしたいかな?」という具合です。

 今まで相手優先で物事を考えていた人が、急に「相手優先をやめて自分優先でいこう!」と考えを変えるのは大変です。
 まずは相手優先に、「自分」をプラスすることから始めてみてくださいね。

Poche(ポッシュ)
精神科クリニックに併設のカウンセリングルームで10年以上、心理カウンセラーとして勤務した後、独立。現在は人間関係、親子問題、機能不全家族専門カウンセラーとしてメールでのカウンセリングを中心に活動。2021年より悩みを抱える方たちに「気づき」を得てもらうことを目的としたTwitterでの発信を開始すると、1年後の2022年初めにフォロワー2万人超えとなる。メールでのカウンセリング、対面カウンセリングともにいつも予約がいっぱいで、現在も数ヵ月待ちの超人気カウンセラー。@Poche77085714