味の素の勢いが止まらない。2021年度決算では過去最高益を更新し、今期も増益予想で4期連続の過去最高益を見込む。原材料高で減益に陥る企業も多い食品業界の中で、数少ない「勝ち組」だ。しかし、好調の内訳に目を向けると、けん引役は半導体関連などの非食品事業で、“本業”の食品事業には暗雲も立ち込める。特集『味の素 絶好調下の焦燥』は、10月10日(月)から16日(日)までの全7回にわたり、異例人事や特殊部隊の創設、主要商品の値上げ率ランキングなどを通じ、絶好調下の“焦燥”に迫った。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)
#1 10月10日(月)配信
味の素の新社長が社員に「ダメ出し」!異例人事、特殊部隊創設…社内に焦燥が漂う理由
4期連続で過去最高益を見込む味の素。しかし、2022年4月に就任したばかりの藤江太郎新社長は、社員への“ダメ出し”を口にする。藤江社長の言葉や異例の役員人事、特殊部隊の創設から浮かび上がるのは、社内に漂う焦燥だ。
#2 10月11日(火)配信
味の素「2030年の次期社長」大胆予測!“出世の2条件”から浮かぶ有力候補の実名
味の素の社長人事を読み解くと、トップに欠かせない“出世2条件”が浮かぶ。現社長の藤江太郎氏は2022年4月に就任したばかりだが、30年ごろの「次期社長」を大胆に予測した。味の素の幹部の中から2条件に当てはまる人材を探ると、ある有力候補が浮上した。
#3 10月12日(水)配信
味の素の「半導体事業」強さの秘密、TSMCとインテルにとって必要不可欠な理由
食品のイメージが強い味の素。しかし、今の絶好調を支えているのは、意外にも「半導体事業」だ。味の素の独自製品は半導体業界の必須の存在へと急浮上し、インテルやTSMCの“アキレス腱”にもなっている。味の素の強さの秘密とともに、強過ぎるために水面下で始まった「味の素包囲網」に迫る。
#4 10月13日(木)配信
味の素「資産を持たない経営」の優等生に立ちはだかる、完成目前での“最後の試練”
資産の保有を抑え財務を軽くする「アセットライト経営」。味の素の取り組みには、“優等生”との評判も少なくない。事業売却、工場閉鎖、政策保有株放出……。一連の取り組みでアセットライト経営は完成目前だが、「最後の試練」が待ち構える。
#5 10月14日(金)配信
味の素の次の切り札は「医薬品製造受託」、大型投資なしでも勝算はありのカラクリ
味の素が次の切り札と位置付けるのが医薬品製造受託事業だ。巨額の投資競争が繰り広げられる製薬業界でも、勝ち組になれるのは一握り。しかし、味の素は「大型投資なし」でも勝算が見えているという。
#6 10月15日(土)配信
味の素の主要20商品「値上げ率」ランキング!7位マヨネーズ、5位アジパンダ瓶、1位は?
原材料高の影響で、相次いで値上げに踏み切った味の素。商品別の値上げの実態を分析すると、市場での味の素の実力と弱点も見えてくる。味の素の主要20商品について、価格上昇率ランキングをお届けする。
#7 10月16日(日)配信
味の素の藤江社長が「売り上げを伸ばす過度な投資はしない」と断言する理由
かつての味の素は「グローバル食品メーカートップ10」を目指してひた走ってきた。しかし、藤江太郎社長は、「売り上げを伸ばすための過度な投資はコントロールしていく」と明言し、従来路線には否定的だ。4月に就任した藤江氏が、自らの「経営者としての務め」を力説した。
Key Visual:SHIKI DESIGN OFFICE, Kanako Onda