仕事で毎日使うのに、誰も教えてくれない「メールの文章術」。返信・アポ取り・仕事の催促・お詫び・感謝など、言葉選びに迷うシーンは多々あります。そこで、本稿では、累計10万部突破のベストセラー『気のきいた短いメールが書ける本』より一部を抜粋・編集して、「もう仕事したくない」と嫌われてしまう「NGワード」をご紹介します。

「あの人とはもう仕事したくない…」と一発で嫌われる無礼なワード・ワースト1Photo:Adobe Stock

「一緒に仕事したくない」と思われる言葉づかい

 相手の考えに修正を求めたいとき、対立しないように上手に伝えるには…

【相手に一発で嫌われる「無礼なワード」】
×そういう対応は問題があります。
今後の対応のしかたについては検討の余地があると思われます。

「そういう」はせめて「そのような」とすべきです。相手との関係を継続したいのであれば、全体の言い方をソフトにしましょう。

意見が違うときは「肯定」から入る

【気のきいた短いメールの例①】
全体の方向性について承知いたしました。
ひとつ、繁忙期との関係で時期が気になります
次の打合せの際に詳しくご相談したいと思います
よろしくお願いいたします。

 意見が食い違う場合、なるべく顔を合わせて話した方がよいでしょう。論点を伝えるにしても、肯定から入ると伝わりやすいはず。

【気のきいた短いメールの例②
報告書案を受け取りました。ありがとうございました。

データがわかりやすく、素晴らしいと思いました。
なかでも事業環境のポジティブなデータを示した3章が重要だと感じました。

この解析結果を結論にもっと多くとりこんでいただくと、
さらにクリアになると思われるのですが、いかがでしょうか

ご検討いただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

 発注先への意見は比較的言いやすいのですが、相手の意欲をそがないように伝えることが必要です。注文をつける前に、よい部分について感想や感謝を書くと伝えやすくなります。

場面によって切り出し方を工夫しよう

 不快感を与えずに、相手の意向を軌道修正できる「気のきいた」表現例をご紹介します。

素人考えかもしれませんが、
通路の幅を少し狭くするというのでは問題がありますでしょうか。

→専門職のプランに対して自信のない意見を言う場合には、このような切り出し方をします。

初歩的な質問で申し訳ないのですが、
A案でもB案でも、かかるコストは同じということでしょうか。

基本的な部分で矛盾があると思われる場合は、そこを質問することで、相手が気づいてくれることもあります。

営業担当の立場から申しますと、
お客様への説明が複雑になってしまう点が心配です。
社内には、安全面を心配する声もあります。
社内的にはどうしてもコストの点がひっかかっております。

それぞれの立場から検討することは重要。立場や視点を限定して書くことで、論点が明らかになります。

今後の運営方針につきましては、流動的なことも多く、さらなる検討が必要かと考えております。

結論を急ぎすぎていると思われる場合。

(本稿は、『気のきいた短いメールが書ける本』より一部を抜粋・編集しました)