職場の人間関係でストレスがたまり、仕事に集中できない……。サラリーマンにとって、「人間関係で消耗しないこと」は重要課題だ。
そこで参考になるのが、『真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン──名著300冊から導き出した人生100年時代の攻略法』。
ベストセラー精神科医の樺沢紫苑さんやベストセラー会計士の山田真哉氏も絶賛。
副業術、転職術から上司に振り回されない方法まで、サラリーマンの悩みを一気に解決してくれる本書の著者は、登録者66万人超えの「サラリーマンYouTuber」サラタメさん。名著300冊から導き出した人生100年時代の攻略法が凝縮された本書は、「仕事術の百科事典」とでもいうべき究極のビジネス書だ。
本稿では、人間関係の悩みを解決する驚きの思考法について、サラタメ氏が解説する(インタビュアー:川代紗生)。
「職場の人と仲良くなりすぎると危険」そのワケとは
―「人間関係で疲れてしまう……」という職場の悩み。どうすれば疲弊せず、平常心を保てるでしょうか?
サラタメ:人間関係で消耗しやすい人の共通点は、「仲良くなる」と「コミュニケーションを円滑にする」をゴチャ混ぜにしていること。
職場の人と仲良くならくても仕事はできるし、むしろ仲良くなりすぎると危険な場合もあるんです。
上司に気に入られすぎると、常に顔色を伺うようになり、仕事がやりづらくなってしまうことも。
『シン・サラリーマン』でも紹介した「人間関係のマトリックス」に照らし合わせて考えるとわかりやすいかもしれません。
人間関係のマトリックス
誰もが「4つの仮面」を持っている
サラタメ:これは、サラタメ的「人生で一番」役に立った知識、といっても過言ではないくらい、人間関係の悩みを一気に解決してくれる素晴らしいアイデアです!
まず、人間のタイプは、この4つに分けられます。
1.リーダータイプ(問題を自ら進んで解決する、前向きなリーダー気質)
2.ムードメーカータイプ(ポジティブな言動で、空気をなごやかにするムードメーカー)
3.管理職タイプ(常にリスクに敏感。「優秀」「完璧主義」という評価をされやすい)
4.カウンセラータイプ(共感能力が高く、悩み事を相談したくなるタイプNo.1)
このマトリックスには2つのポイントがあります。
1つは、「ずっと同じタイプの人はいない」ということ。
誰しも、環境に合わせ、「4つのタイプ」をうろうろしているんです。
―性格診断のようなものとはまた別なんですね。
サラタメ:「この中だとムードメーカータイプだな」など、一つに当てはめて考えがちですが、実は、そうやって自分のポジションを固定してしまう人ほど人間関係の罠に陥りやすいんです。
どんな人でも、周囲の環境によって「4つの仮面」を使い分けている。
職場では聞き役にまわることが多いけれど、友人間では周りを引っ張るリーダー的側面が強くなるなど、相対する人ごとに別の側面が引き出されるのは、ごく自然なことです。
上司のパワハラ気質を引き出してしまう
衝撃のメカニズム
サラタメ:2つ目のポイントは、「コミュニケーションを取る相手の対角になろうとする傾向」がある、ということ。
たとえば上司との関係に悩んでいる人は、もしかすると、気に入られようとしすぎて相手のパワハラ的な気質を余計に引き出してしまっているのかもしれません。
「俺は絶対に間違ってない!」というようなオラオラ系上司の懐に入ろうとして、力関係を悪化させているとか……。
―関係を良くしようと頑張ったことが裏目に出るとは、恐ろしいですね……。
サラタメ:「対角になろうとする」という人間関係の力学によって、お互いの性質が助長されると、オラオラ系の上司はより強く出てくるし、気に入られようとする人は「もっと気に入られなきゃ」と依存するようになる。
これが常態化すると、固定のタイプから抜け出せなくなってしまいます。
実は、メンタル的に最も危険なのはこの状態。
考え方が極端になり、人間関係でのトラブルが起きやすくなります。
管理職タイプはムードメーカータイプにパワハラし、ムードメーカータイプは管理職タイプに依存し思考停止になり……と、いいことがありません。
結論、4つのタイプを行き来できる人が最強なんですよね。
「他人の課題」にふりまわされることなく、「自分の課題」だけに集中すること。
人間関係で消耗しないための、各タイプごとの対策もあるので、それはこの本を読んで参考にしてもらえるといいかもしれません。
「仲良くなる」「相手に気に入られる」ことを目的にすると、人間関係はどんどんいびつになり、自分の首を絞めることになります。
仕事のコミュニケーションが円滑であればそれでいい、と一線を引いておけるといいですね。
(本原稿は、話題沸騰のサラタメ著『真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン──名著300冊から導き出した人生100年時代の攻略法』の内容をもとに、新たに著者がインタビューを受けたものです)