小泉元首相の「やってみなきゃわからない」精神
実験精神の根本にあるもの、それは「やってみないとわからない」という人生観であり、世界観です。この精神で、郵政民営化という日本中を巻き込む実験を行った人が、小泉純一郎元首相です。
小泉氏は国会で「抵抗勢力とは誰のことでしょうか」と質問されました。そのときの彼の答えは、「どういう勢力かというのは、やってみなきゃわからない」。非常にユニークで、前頭葉を使えている人だと思います。
おそらく小泉氏はうつにもなりにくいでしょう。最初から答えが決まっているわけでなく「やってみなければわからない」と思える実験的精神の持ち主は、一度や二度失敗しても「こうもできないか?」と考えられるからです。
のちに年金問題で追及されたときに「人生いろいろ、会社もいろいろ、社員もいろいろ」と言ったのも、良し悪しはともかく、うつになりにくい人ならではの発想だと感じました。「答えは一つではない」と思える人は、自分を追い詰めて視野狭窄(きょうさく)に陥ることはないでしょう。