NISA恒久化などの動きもあり、非課税投資口座が注目をあびている。iDeCo(個人向け確定拠出年金)も、22年10月に加入資格が拡大された。どんなメリットがあるのかおさらいしよう。

iDeCoの3つのメリットとは? 2023年こそ老後のお金づくりに最適の非課税制度で投資を始めよう!若いころからの積み立て継続が老後資金の糧になるはず。イラスト=山崎真理子

iDeCoには3つの大きな利点あり

 減額や支給開始の先送りなど公的年金について不安が募る中、自力で年金を上乗せできる手段として、いま大きな注目を浴びているのが個人型確定拠出年金(iDeCo[イデコ])だ。

 自営業者(フリーランスの人も含む)や企業年金のない会社員に加え、2017年1月から、公務員、専業主婦・主夫、一部の企業年金がある会社員も加入できるように。さらに、22年10月からは、勤務先に企業型確定拠出年金(企業型DC)がある人も、会社が認めなくてもiDeCoとの併用が原則OKになった。

 iDeCoは、「月々の掛け金を自分で用意して自分で運用を行う」年金制度だ。大きなメリットは税制優遇を受けて、老後の備えとなる自分年金を作れること。

 掛け金を毎月積立てる形で、投信や定期預金で運用し、一般の証券口座で投資した場合に利益に対してかかる約20%の税金がゼロになる。もちろん、分配金や預金の利息も非課税だ。また、一度売却すると枠が消えるNISAやつみたてNISA口座と違い、累積の投資額も含め何度でも非課税での売買が可能だ。

老後の年金が目的なので途中で引出せなくてOK

 さらに、掛け金は全額、所得控除の対象になる(所得のない専業主婦・主夫などにはこのメリットはない)。たとえば年収が700万円の会社員が、月額2万3000円を掛け金に設定すると、年間の掛け金27万6000円が全額所得控除される。家族構成などにもよるが所得税と住民税から合わせて年5万~8万円程度の節税に。実に掛け金の20%以上が取り戻せる計算*だ。そして、受取る時にも退職所得控除などが受けられる。*他に大きな控除(住宅ローン、医療費など)を受けていない場合の概算。

 一方で注意が必要なのが、掛け金は60歳まで引き出せないこと。

 ただ、iDeCoはNISAと異なり老後のお金作りという目的がハッキリした制度。60歳まで引き出せない=ムダ遣いをしないという意味ではメリットともいえる。

 企業年金がある会社員の人は、勤務先の年金制度を確認してほしい。というのも、現在、企業型DCを導入している企業が増えているからだ。企業型DCは、掛け金を企業が負担するため、所得控除は受けられない。しかしその他のメリットは個人型と同じなので、しっかり活用すべきだ。

iDeCoの3つのメリットとは? 2023年こそ老後のお金づくりに最適の非課税制度で投資を始めよう!22年5月には積み立てられる年齢が60歳→65歳に引き上げられた。このため50台半ばでも10年は積み立てできるように。20代から50代の幅広い世代が活用できる制度だ。
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