主要なアプリは10ほどあり、それぞれのアプリが公表している登録人数は、100~400万人。海外のアプリなら、その単位は億に跳ね上がる。マッチングアプリは「条件が合う人」をつなげるプラットフォームだ。

「たしかに『女ならだれでもいい』というような人もいました。でも全然、数が違う。今まで、大学や職場、行きつけのバー、趣味などで相手を探していましたが、マッチングアプリをやってみると、『ここは魚(男性)がたくさんいる海だな』と思いました。今までの出会いを喩えるなら池……いや、違うな。コップの中で探していたと思います」

 かつては友達の紹介もあったが、今はもうない。

「それに、この年で『恋愛がしたい』なんて、恥ずかしくて周りには言えません。でも私もアラフォーと言われる年齢になり、仕事も安定し、経済的にも余裕があるのに、寂しかったんです。実際にやってみると、40~50代も多いし、『オバサンじゃないとダメ』という若い男の子も多いんですよ」

マッチングアプリ最初の相手はイケメン大学生

 美紀子さんが最初に会ったのは、22歳の大学生だった。

「イケメンで若々しくてかわいい。すごく緊張していたのですが、それを解きほぐしてくれて、流れでホテルに行ったんです。びっくりするくらい上手で、『大人5、月2でどう?』と言われました」

 “大人”とは、1万円札のこと。彼の言うことを翻訳すると、「月5万円で、デート2回はどうか」という提案になる。

「もちろん、断りました。そしたら、私がシャワーを浴びている間に、いなくなっていました。財布の中にあった2万円の現金も消えていた。メモが置いてあり、『もらっていくね』などと書いてあったんです」

 女性が経済的な庇護者を見つける「パパ活」には、専用のマッチングアプリがある。当然男性の「ママ活」のマッチングアプリもあるが、怪しいものも多い。

「アカウントを見たら削除されているし、運営側に通報しても、お金は取り戻せない。でも、あれだけよかったので、いいかな……と思って泣き寝入り。あれから財布にお金を入れずに出かけるようになりました」