「私、大学時代からストーカー被害に遭うことが多かったので、こっちが堂々としていれば、そのうちいなくなることを知っている。その男性は3日目くらいにはいなくなっていました。

 薬を飲まされそうになったこともありますよ。トイレに立って帰ってきたら、飲み物の味が変わっているのに気づいて、それから口をつけなかったんです。すると、相手の男性は『じゃあ、ワリカンで』と言って、そそくさと帰っていきました」

アプリで一瞬の恋をする

 そんなことを繰り返しているうちに、あっという間に2年が経過してしまう。その間に100人以上の男性と関係を持った。

「今も沼にははまっていると思います。やはり、若い男がいいですから。それなりにキレイにしていれば、意外なくらいマッチングできます。この2年間で気づいたのは、結婚しなくてよかったということ。同世代の男性が、いかに高圧的か、男尊女卑か、そして肉体的にも衰えているか。そういうことがわかってくるお年頃ですしね」

 若い男性は、すね毛、腕毛、ひげ、腋毛、指毛に至るまで、永久脱毛している人が多いのだという。

「私たち40代は90年代のトレンディドラマが理想だから、リアルな恋愛がしづらいんだと思うんです。ステキな人は誰かと結婚しているし、もし自分が美しい男性と結婚できても、年齢とともに毛が薄くなったり、ぽっちゃりしていくのを知っている。でも、アプリで彼らと会うのは一瞬だし、そのとき私は恋愛の主人公になれるんです」

 しかし加齢とともに、ゲットできる男性の質は変わってきた。「この2年間で、若くてきれいな子とは会いにくくなったと思います。それだけたくさんの男の子と会ったのに、付き合っている人は誰もいないんです。あと、始めた頃とくらべて、きちんと会話ができる人が減ったと思う。会っても、短時間でさっさと帰られてしまう」

 ところで、ラブホテル代はどうしているんだろうか。

「最初がママ活男子だったので、そのあとはなんとなく私が払っていましたが、ある男の子が『女性には払わせたくない。僕が払う』と言い張ったんです。その子には感動しましたね。それ以来、ワリカンか男性が払うことが多いです。一応、マッチングアプリだし、デートみたいなものだから」

 どこにも行かない、先がないワンナイトの恋愛の繰り返し。それは性産業にも似ている。

「違いますよ。私がお金を払っているわけではないですし、一応、お互いが『いい』と思って関係を持っているし、デートもしますしね。パパ活やママ活、性産業はお金を払っているほうの力が強い。だから、支払われる側は断れないじゃないですか。でもマッチングアプリは違います。お互いに合意の上なので対等。全然違いますよ」