日本電産 永守帝国の自壊#予告Photo:Bloomeberg/gettyimages

9月に社長を解任して以降、日本電産の永守重信会長は「創業時の文化を取り戻す」ことに執念を燃やしている。後継者不在や株価低調など、昨今の経営混乱の“元凶”は他社から招聘した外部人材にあると断じ、いま一度、知的ハードワーキングに代表される永守流経営への原点回帰を図ろうとしているのだ。しかし、今や日本電産は売上高2兆円規模の大企業。創業者経営からグローバル企業への脱却は焦眉の急だ。そんな折に、社長解任事件で永守会長の求心力の衰えが白日の下にさらされることとなり、人材流出に歯止めがかからない。特集『日本電産 永守帝国の自壊』では、来年創業50周年を迎える日本電産で進む内部崩壊の惨状を明らかにする。11月28日(月)連載スタート。

#1 11月28日(月)配信
「お疲れさまです」厳禁!日本電産永守会長のトリセツ入手、内部資料が明かす異様な忖度の実態

日本電産 永守帝国の自壊#1Photo:Bloomeberg/gettyimages

「1番以外は全部ビリ」「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」――。日本電産社内では、永守重信会長が掲げる指示・方針は“憲法”である。希代のカリスマ経営者の経営哲学や教えが社員のよりどころとなってきたことは間違いない。しかし組織が大きくなるにつれて、側近社員が絶対君主の“一挙手一投足”を先取りし忖度するようになっていった。そうして生まれたものの代表例が、人事部が中途社員向けの指南書として作成した「永守会長の取り扱いマニュアル」である。ダイヤモンド編集部ではこの資料を独自入手。忖度の極みともいえるビジネスマナーや異常な労働実態を明らかにする。

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#2 11月29日(火)配信
日本電産が小型モーター訴訟で最大顧客に「完敗」の新事実!虎の子商売喪失の張本人は永守会長

日本電産50年目の大試練!永守帝国「自壊」の惨状を総力取材で徹底検証Photo:Justin Sullivan/gettyimages

 昨年、日本電産がある重大な訴訟で「完敗」していたことがダイヤモンド編集部の調べで分かった。同社のハードディスクドライブ(HDD)用モータの最大顧客である米シーゲート・テクノロジーを相手取り、訴訟に踏み切ったが、ひそかに痛恨の黒星を喫していた。裁判資料と日本電産関係者の証言により、日本電産が訴訟で敗北した「顚末」を明らかにする。

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#3 11月30日(水)配信
日本電産永守会長が「役員クビ」乱発!恐怖の昇格降格ジェットコースター人事で生え抜き疲弊

日本電産 永守帝国の自壊#3Photo by Reiji Murai

 日本電産の永守重信会長は、過去10年で田重要事業の担当役員の「クビ」を次々とすげ替えてきた。ほとんどは永守氏が求める業績を残せずに会社を去った外部人材だが、その弊害は、永守氏が後継を託そうとしている生え抜き人材にも及び始めている。

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#4 12月1日(木)配信
日本電産「大株主70社リスト」初公開!三井住友、野村…永守氏の暴走許す応援団の顔ぶれ

日本電産 永守帝国の自壊#4Photo:Bloomeberg/gettyimages

 日本電産の永守重信会長が希代の名経営者であることは間違いない。だが、その存在が大きすぎるが故に、取締役会や取引先金融機関などのステークホルダーは萎縮し、カリスマ経営者の暴走に待ったをかけられない状態が続いている。そんな日本電産の場合、経営のモニタリング機能を果たす“最後のとりで”は「株主」なのかもしれない。ダイヤモンド編集部は日本電産の大株主70社(個人を含む)をリストアップした。本稿では、門外不出の「株主リスト」を初公開する。果たして、株主に永守氏の暴走を止める役割は務まるのだろうか。

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#5 12月2日(金)配信
日本電産M&A戦略に異変!永守会長は大黒柱の車載・家電より「工作機械」に執着

日本電産50年目の大試練!永守帝国「自壊」の惨状を総力取材で徹底検証Photo:123RF

 日本電産の脅威の成長を支えてきた”永守流”のM&A(合併・買収)が転機を迎えている。1990年代に不振企業の再建型M&Aで名を馳せてきた永守重信会長兼最高経営責任者(CEO)は、2010年代に入って海外の優良企業の巨額買収を次々と実施してグローバル企業への転換を図ってきた。それが、20年代に入って再建型の買収に回帰。中小規模の工作機械メーカーを立て続けに買収し、永守氏自身が赤字会社に乗り込んで、たちまち劇的な黒字転換を実現している。だが、いまだ90年代の「永守メソッド」は有効なのだろうか。

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#6 12月3日(土)配信
日本電産EV事業に暗雲!トヨタ・ホンダら競合猛追で「永守流待ち伏せ戦法」封じ込めの危機

日本電産 永守帝国の自壊#6Photo:The Asahi Shimbun/gettyimages

 日本電産の永守重信会長兼最高経営責任者(CEO)が、業績の足を引っ張っているとして“糾弾”してきた車載事業が反転攻勢に出ている。電気自動車(EV)向けの電動アクスル事業の黒字化が見えてきたのだ。トヨタ自動車やホンダら日系自動車・部品メーカーや欧州系サプライヤーもその領域への開発・投資に余念がない。日本電産が精密小型モーター事業で成功を収めてきた「待ち伏せ戦法」――競合より早く投資して先行逃げ切りを図る――が車載事業でも通用するのかどうかは疑念が残る。車載事業が抱える二つの懸念事項に迫った。

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#7 12月6日(火)配信
日本電産永守流「V字復活神話」崩壊の危機!キャッシュ&在庫が物語る“利益倍増術”の限界

日本電産50年目の大試練!永守帝国「自壊」の惨状を総力取材で徹底検証Photo:bloomberg/getttyimages

 日本電産が高収益を実現できた原動力は、競合にはまねのできないレベルのコスト削減力にあった。永守重信会長の号令で社内や取引先企業は苛烈なコスト圧縮に耐えてきたのが実態だが、近年、そうした永守流の利益倍増術に衰えが見えてきている。永守氏による「V字復活神話」が崩れた理由をキャッシュフローと在庫の推移など財務分析により徹底解説する。

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Key Visual by Noriyo Shinoda

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