この条件を満たしていれば、「かかりつけ医は、病院の勤務医でもいいと考えている」そうだ。何か病気があって、定期的に通院している市中病院の医師などが話しやすい相手なら、かかりつけ医にしてもいいかもしれないということだ。
かかりつけ医は今後、どのように日本に根付いていくのだろうか。
「総合診療についてはこれまで消極的だった大学も少しずつ、教育に力を入れ始めています。なんでも相談ができる開業医は今後、確実に増えてくると思いますよ」
一方、日本では、ヨーロッパのような家庭医制度(診療所の医師がかかりつけ医となり、病気や健康相談をまずはここで受ける制度、国によって違う)は難しいと考えている。
「家庭医制度は医療費の大きな削減になりますが、導入している国ではかかりつけ医に紹介され、大病院にかかるまでの時間が長すぎるなどの問題も生じていると聞きます。この点、総合診療だけでなく、専門に特化したクリニックもあり、困った時には大病院へのフリーアクセスが可能な日本の医療制度のよさを生かした、かかりつけ医制度が現実的なのではないでしょうか」
(文・狩生聖子)
※AERA dot.より転載